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観劇、LIVE覚書

ハムレットの物語   20141109

煌ダンスステージVol.3 ハムレットの物語

2014.11.08〜09
かめありリリオホール

芸術監督 上田遥
音  楽 宮川彬良
衣  装 朝月真次郎

一部:渋谷☆ダンスパラダイス
二部:ハムレットの物語

ハムレット 三浦宏規
オフィーリア 木原実
クローディアス 大嶋正樹
ポローニアス 森新吾
ガートルード 有光風花
ホレーシオ 長澤仙明
レアティーズ 工藤裕哉
墓掘り 戸室政勝
墓掘り 上田はる美
コロス 阿弥梨沙子
コロス 桂川結衣
コロス 春風まこ
コロス 鳥原志乃
コロス 吉岡朋子


これだけ遠征重なってるのに、何を思ったのかチケットをとっていました。
アルジャーノン、ファウスト、ライブ etc・・・お仕事が続いていることを考えるとちょろっと踊るくらいなのかな〜とあまり期待せずに行ったのですが、何が何が!めっちゃがっつり出てました。びっくりした←
喋るのが新吾さん演じるポローニアスだけで、結構なセリフ量だったと思うのですがいつリハやってたんだろう。時の部屋とか持ってるのかなってたまに思う…

そんなこんなで以下いつもどおりの私的感想です。


一部が渋谷ダンスパラダイス、二部がハムレットの物語と全く違う味付けのダンス公演を約60分×2でとても観やすく、かつ楽しめる公演でした。
一部のダンスパラダイスは飲み屋の親父が語る過去の武勇伝に沿って様々なダンスが見られます。
沖縄奄美の島歌にあわせて海と風の青、ジャスミンの妖精のような白い衣装の女性ダンサーも素敵でした。
ふだん、美しくもいかつい男性ダンサーばかり見ているので、女性だけのダンスが新鮮。
他にもフラメンコや小さなバレエダンサー、女形の日本舞踊など多種多様な踊り手さんが次々と舞台に現れます。
その合間合間に飲み屋の親父は意気揚々と武勇伝を語っているわけですが、その盛りすぎの語り口調も面白かった。
日本舞踊の場面では豆奴と呼ばれる女形が出てくるのですが、この方がめっちゃ美しい!
美人なんだけど愛らしさがあって、蛍狩りをしていて蛍がつかまえられないとぷっと唇を尖らせる表情が印象に残っています。
もう一人、この方のダンス好きだなーと見てたのがショートボブの女の子。
すごく元気が良くてしゃきしゃき踊ってるのが気持ちいい!
踊るの好きなんだな、楽しいんだなって伝わってきてついつい彼女ばかり目で追ってしまいました。
新吾さんは親父がアメリカに渡ったときに出会ったスター。名前聞き取れなかったんだけど、実在の人物なのかな?
みんなの憧れカリスマスターは、まんま「スター」の出で立ちで登場でした。
ひらひらフリンジに青い星がついた白いツナギにここんとこ定番の刈り上げげポニーテール。
思わずクスッと笑ってしまったけど、ダンスは魅せてくれました!
親指齧るアクションが好き〜!私これ初めて見たんですがよくやるのかな?
振付はフリースタイルぽかったかな。とは言っても公演の色もあるし、今回のような明るく華やかなシーンでの新吾さんが久しぶりすぎて新鮮でめちゃくちゃ楽しかった〜。
マイクついてないのに「ホー!」って吠えてたのにすぐ反応できず拍手だけになってしまって残念。盛り上がりたかったな〜。
私、何を勘違いしたのか一部にしか出ないと思っていて、数分踊ってはけてってカテコにも出てこなかったことにゴィーンとショックうけたんですね。
でもFCからのお知らせには二部に出演て書いてあったしなぁ、でもでもこのチラシには一部に名前あるし・・・二部にも名前あるな、あ、同じ森姓の人がいる。・・・誤植?()と悶々としてしまいました。
これ、改めてチラシとかとっぱらってリーフレットが見開きになってることに気付いて納得したんですけどね。
余裕なかったのかなぁ。最近早とちりが多いので反省です。

だからでしょうか、二部、幕が開いて悪魔が居たときはテンションあがった〜!
あ、悪魔じゃなくてポローニアスですね。
ピアノの音がして、ん?金髪・・・?あの顔・・・え、しんごさん???で、テンションパーン!
めっちゃ好きなビジュアル!
最近、というかここ一年?ツーブロックで髪が伸びてきて侍スタイルだったりチョンマゲだったり。もちろんそれも男前で素敵なんだけどたまにファニーフェイスになるんだよなーって(アルジャーノンは帽子ふわふわで可愛かったけども!)思ってたところだったのでこのヘアメイクは久々森新吾さんの美しさを叩きつけられて涙でそうでした。
メイクも眉細めのキリッとアイラインで何ともクールな面立ち。
ハムレットを冴え冴えとした眼差しで見る横顔に「そうだよ、この人けっこうな美形なんだよ」って思い出して嬉しくなったり。病。
衣装もとても素敵で、黒い薄布に紋章(?)がいくつか散りばめ染め抜かれたマントが動くたびにふわり、ひらり。それを操り翻す姿もまた素敵。
パンツと靴も黒で、シンプルな形の紫の上着の襟と袖口はブルーのレースがついていました。
衣装の朝月さんってサロメの衣装デザインされてた方ですよね〜。
オフィーリアやサロメ、クローディア、コロスの衣装も素敵で、DVDでじっくり衣装見てみたかったな。(販売はしてなかったと思うんだけど、あったら絶対欲しい)
ふわふわ金髪セミロングと黒のマントをなびかせ新吾さんが演じるポローニアスはなんとも悪魔的。
語り部でもありながら、ハムレットたちの運命を弄ぶようなところもあって、悪いお顔をたくさんしていました。
ハムレットを見るときの冷めた目や、クローディアスにへつらいながらも腹に一物持ってるような表情。主要人物が全員揃って乱舞する中、一人高台に立ち、愉しそうに指揮者のように振舞う愉悦の表情とかしびれた〜。
今回は語り部役なのでダンスシーンはないんだけど、歩く、屈むといった動作の一つ一つ、すべての立ち居振る舞いが洗練されていて、もうずっと新吾さん見てた。久しぶりにこんなに森新吾観たかってくらい観てた。
ダンサーじゃなくて役者枠になるのかな?ストーリーテラー狂言回しはDの公演でもあったけど、それとはまた違った雰囲気でとても見ごたえがありました。
最近では狂言回しは泰ちゃんに世代交代した感じもするし、それはそれで楽しいんだけどまたこういった役回りも観てみたいなぁと。帰ったらSWANみよーとか思ってたけど結局観てないわ。あの悪童天使とは違う大人の雰囲気でしたもん。もう少し浸っていたいのね。
あと久しぶりだーって感じたのが新吾さんの声。
第一声聞いて、あー久しぶりに声聞いた気がするって思ってから、いやいやアメスタとかつい一週間前にファウストトークショーで二言三言は喋ってただろって自分に突っ込んだけど、よくよく考えたら舞台の上で役としての声が久しぶりなんだと。
ポローニアス新吾さんのちょっと気取っていて、慇懃無礼で、狡猾な口調がもう最高に好きだ。
どこだったか、ふるはたにんざぶろう?って思っちゃうような口調と身振りがあって笑いそうになったり。
あと踊らないって書いたけど、コロスたちと戯れたりする場面があって、そこはおどけた調子がかわいく見えて笑ってしまった。
オフィーリアの父親でもあるのだけど、彼女を心配するところなんかは父親としての自分を俯瞰で語る感じがしたな。
それがまた語り部として舞台上をふわふわ漂ってる今回のポローニアスにはまっていました。
そんでポローニアスは物語り半ばでハムレットに殺されてしまうんですけど、ここがすごくおっかしかった〜。
舞台奥の物陰からガートルードとハムレットのやり取りを見ていて、ハムレットに間違えて(?)刺されてしまうんですが、その時もなんと言うか少しわざとらしいくらいの表現でピクピクーパタンと死に、ハムレット達がはけた後はふらふらっと前に出てきて「は〜〜痛かった」って。
心臓を一突きされたことと、やっぱりハムレットは狂ったフリをしていたんだと真実を淡々と語り、死んじゃったのでと墓守る達に頭に天使の輪っかをつけられていました。
シリアスなお話なんですが、こういったとこで和ませてくれて助かるわ〜。
でも、そこからもキャストの間をすり抜け舞台上を漂う姿は死神や悪魔のようだったんだよな〜。
天使のわっかは悪魔の魅力の前には効力が無かったみたい(笑)
あー書き出したらきり無いな〜。
喋るの一人だけなので、ハムレットの名セリフ独り占めで森調子満載だったのも嬉しかったり楽しかったり。
カーテンコール、三浦君より後だったのはゲストだったから?
三浦君、森さん、宮川さんの順番でびっくりした〜。
上田先生が出てきて拍手もやまず、繰り返しの挨拶に、降りかけてた緞帳が途中で止まっちゃったときのリアクションも。
目をきょろっとさせて緞帳ちょんちょんって指差して苦笑い。その後の電器消すよなジェスチャーも。
今時、紐引いて電気消すのも珍しくなってきたけど、そういうちょっとした動きがショーワな新吾さんにほっとする(笑)絶対同年代か年上だとおもう。

何か新吾さんのことばっかりやな(笑)
まーしょうがない。
あ、でも主演の三浦君は二ヶ月前にサロメで見たときより雰囲気がかわっていて驚きました。
役所もあるのかな。子供っぽさが抜けて見えた〜。これからどんどん少年から青年に変わっていくんでしょうね。
オフィーリア役の女の子もかわいかった。
オフィーリアって言うとフェアリーロングのおしとやかなお嬢様のイメージなんだけど、ショートカットの快活なオフィーリアが新鮮で、また演じている方がチャーミング!
ハムレット、ホレイショ、レアティーズと仲良く遊んでいるシーンがすごくほのぼの。
お互いを意識してるオフィーリアとハムレットの間に立ちふさがるレアティーズは妹大好きなお兄ちゃん手感じでそれもまた微笑ましかった。
このレアティーズ役の工藤さんもサロメに出てましたね。
あの時もすごいって思ったけど、今回たくさん踊っているところを見て更にすごーってなりました。
よくスポーツ関連で「体のバネ」って言葉を聞くけど、全身バネってかんじ。固さが全然ないし、身長もあるのにアクロバティックな技も軽々決めてて出てくるとついつい目が吸い寄せられた〜。
まえーにGOさんがるいるいの事を「あれだけ背も伸びたのにバク宙とかできてすごい」って言ってて(ニュアンスです)背が高くなるとアクロ難しいのかな〜と思ってたんですが、若者の身体能力おそるべしってことでしょうか。
また別の舞台で観れるといいな〜。

あとも一つ驚いたのが宮川彬良さんの生演奏〜。
名前は上がっていたけどてっきり音楽監修で打ち込みなのかなって思ってたから、新吾さんがピアノをポロンポロン爪弾いてる後ろから現れたときはWでテンション上がりました。
ホールがいいのか、ピアノの音がとても良く聞こえて耳にとーっても贅沢させてもらった。
ラストは生歌も聴けたし、曲もどれも素敵でクラシック好きの友達が一緒だったら喜んだだろうな。

サロメに続いての上田先生演出でしたが、好きかもしれない。
何が見れるのかわからなかったから、こんな素敵な役の新吾さんが見れてめっちゃしあわせでした。