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観劇、LIVE覚書

アリス・イン・ワンダーランド   20141123

アリス・イン・ワンダーランド

青山劇場
2014.11.9〜30
梅田芸術劇場メインホール
2014.12.5〜7
中日劇場
2014.12.19〜20

脚本 グレゴリー・ボイド
脚本/作詞 ジャック・マーフィー
作曲 フランク・ワイルドホーン
演出 鈴木裕美
上演台本/歌詞 鈴木哲也、高橋亜子
音楽監督/指揮 塩田朋弘


ニューヨークのセントラルパーク近くの、とある出版社。
作家のアリス・コーンウィンクルが新作小説の原稿をダメ出しされていた。
面白くない、明日までに練り直しといわれて、自分のせいじゃない!やけ酒を呑んで帰宅すると、アパートには別居中の夫ジャックと娘のクロエが帰りを待っていた。
キレるアリスにあきれ気味の二人。ジャックが帰り、アリスは一眠りしようと横たわる。
すると、そこに現れた白いうさぎと追いかけるクロエ。
こんな夜中に!アリスは慌てて後を追い、エレベーターから降りるとそこはおかしな人たちがわんさか狂騒中。
抜け出したアリスを待っていたのはちっちゃな扉と「私を飲んで」と囁く声。
思わず飲むと、アリスの体はどんどん縮んで・・・
扉の向こうにいたのは、なにやら哲学めいたことを言う芋虫、ひたすらイケイケで楽しそうなエル・ガト、この国で最も偉大なナイトとのたまう白のナイト、そして先ほどの白ウサギ。
彼らと一緒にイカれたお茶会に呼ばれたアリスは、帽子屋とモリスとテーブルを囲むが、そこで起きるのは腹立たしいことばかり。
ハートの女王のお出ましも、もう何がなんやら。
どうやらクロエを捜すのに、唯一力になってくれそうなのは帽子屋のよう。
一方、帽子屋はクロエを鏡の国に連れ去ってしまう。その様子を見ていたウサギが、アリスに報告。
アリスはひとり帽子屋を追おうとするが、白のナイト、芋虫、エル・ガト、ウサギに連れて行ってと懇願されて、うんざりしつつも一緒に旅立つ。
鏡の国ではクロエが不安消去マシンにかけられ行方不明に。
頼みの綱のハートの女王は、帽子屋の言われるがまま。
揚げ句の果てに、女王に「首をはねよ」と命令され、白のナイト、芋虫、エル・ガトは牢の中へ。
その頃、アリスはひとり七番の扉の前にいた。なぞなぞを解いたアリスはそこで意外な人物と出会う・・・
(パンフレットより)

東京、大阪公演行ってきました〜。
以下、いつもどおりの感想文です。

ワンダーランドまじワンダーランド!ってあったま悪い出だしだけどマジワンダーランド!でした。
今回初めて誘った友人もすごく楽しんでくれて、一緒に泣いて笑って素敵な時間を共有できたことに感謝しまぁす(ってそれは別の舞台や)

仕事も家庭も上手くいかないアリスが脳内ワンダーランドで自分の心たちの声を聞き、冒険し、そして何も解決しないまま夜が明け、また何一つ変わらない一日が始まる。けれど、一夜の夢物語でアリスに少しの変化があって、今すぐには解決しないけれど少なからず明るい未来を想像させてエンド。
という、すごく分かりやすくてシンプルなストーリー。
けど、話がシンプルなだけにワンダーランドのドタバタ劇に振り回されて筋が迷子になったりせず、こちら側にしっかりと伝わってきました。
一度目の観劇では、次から次へと登場人物たちが繰り広げるショーに圧倒され、アリスに共感している内に舞台が終わってしまったけど、二回三回と観劇を繰り返すうちに色んな見方ができて、その度に新鮮な感動があった。
しかも何度見ても飽きない!マチソワ連続はさすがにアレかな〜って思って観たけど、まったく新しい気持ちで楽しんでる自分がいて、終わった後驚いていました。
何もかも上手くいかないフラストレーションに自分のせいじゃないと叫んでいたアリスはまさしく数日前までの私そのもので、最初の時はそうだよね、ままならないよねと共感の涙を流して、悔しくて惨めな自分を重ねてばかりだったけど、大阪の最終公演ではアリスと一緒に笑って終われたことが今はすごく幸せ。
勿論、舞台だけでなく愚痴を聞いてくれて励ましてくれた友達に感謝。
口先だけでないナイトがいるのはとても心強いね(笑)

そんな共感しやすく分かりやすいストーリーとは裏腹?な、ショーアップされたステージはまさに圧巻。
メインキャラクターは勿論、ワンダーランドの住人を次々演じるアンサンブルの素晴らしさ!
幕開き、編集部のオフィスでアリスが編集長に責めたてられているシーンでは、ピシッとポージングしたまま切っ掛けが来るまで微動だにしない!
本当にマネキンかと思ったくらい。モリスの松原さんもポーズを取ったままウサギに抱えられて位置を変えられるのだけど、その時も人形のようにポーズを崩されずすごいの一言。
そこから大勢のアリスや芋虫レディース、エル・ガト勢にイカれたお茶会、etc・・・
めまぐるしく変わっていく場面に息つく間もないショータイム。
え?まって、何人いたっけ?って人数確認したくなるほど、まあ、場面が変わるごとに衣装を替えキャラを変え次から次へとほんっとーーーーにすごかった!
男性ダンサーの中にお久しぶりのかーくんがいて嬉しくなったり、楢木さんのキレのあるダンスと長い脚におおっとなったり。
このお二方は帽子屋影でデュエットがあるんだけど、恐ろしさと良い意味での気色悪さがあって、そこにハマメグさんの凛とした格好良さが加わって、すごく好きなナンバーになりました。
あとめっちゃこの方のダンス好きだ〜と出てくるたびに注目していた女性ダンサーさん。
アリスの衣装着ている時が特にお気に入り。小柄でかわいらしい姿と目を惹きつけるダンスが魅力的でした。
皆さんメイクが濃ゆめなのでパンフだとどなたやら・・・。二人ほどこの方かな?というめぼしはつけているのですが間違っていると失礼なので名前は出さずにおきます。またどこかでお目にかかれたらいいなぁ。
大勢のアリスが出てくるシーンでは、可愛らしい女性ダンサーさんだけでなく、立派なお体の男性ダンサーさんもアリスの扮装でかわいらしく(?)踊ってました。
タッパもあるしガタイもいいから目立つねん!そんで何でそんなかわいいねん!(笑)
アリスは至る所で出てくるんだけど、この厳ついアリスも所々出てきて出てくる度、笑って突っ込んでしまう悔しさったらない。
七番目の扉が開いたとき、さーっととれた幕の向こうで厳ついアリス二人がだるそうにスカートばさばさしたり髪の毛弄ったりしてるのは見所?でした。
アリスと言えばその気になる女性ダンサーさんはルイス・キャロルの部屋でも登場してて、ここでは三人のアリスがふわふわ妖精みたいに漂ってるのがめっちゃファンタジーやった〜
淡い金色に輝く部屋の中でルイス・キャロルと安蘭アリスが対話し、そこにふわっと存在するアリス三人がまた雰囲気を作っていたのが素敵。
芋虫レディースもめっちゃ艶めかしくて、扉が開いた途端わぁお!
もう、足ばっかり見てしまう。っていうか、ヒップラインからの脚線美ブラボー!状態で、我が内なるオッサンが大騒ぎでしたがとてもそう、セクシーだけどエロくはなくて、ある意味芸術的。
女性ダンサーさんは見る度よくあんな靴で踊れるよなぁって感心するんですが、芋虫レディースも良くあんな靴であの狭いスペースで腰を落としたり出来るよなぁって感心超えて感動でした。

大型ミュージカルを見るようになって、メインキャストがどれだけ華々しく技量のある方を揃えていても、アンサンブルがしっかりしていないと作品の魅力を欠くんですよね。
デコレーション素晴らしくてもスポンジカッスカスのケーキって美味しくないし、見た目つやつやでも粉末出汁のインスタント煮炊き物って美味しくない。(例え方・・・)
やっぱり基礎や土台って大事だなって思うところでの、素晴らしいワンダーランドの住人達がいてこその舞台だったなと今になっても思うのでした。


さてこっからは出番順にメインキャストさんについて少しずつ。

平方ウサギさん
アリスに「でかい!ウサギのサイズじゃない!」と弄られてましたが、ほんとに大きい(笑)
ロミジュリぶりかなって思ったら今年始めにBGでお目にかかってました。
相変わらずの美声。そしてウサギさんの臆病で優しい雰囲気が平方さんにあってたように思います。
大きな体を思い切り小さく縮めてガタプル震える姿に「あざとい」と心中呟きましたがファンの方にはたまんなかっただろうなぁ。
アリスに詰め寄られて「ひぃいっ」と逃げ惑う姿や、これまたアリスに怒鳴られて心を閉ざし、エル・ガトの尻尾を握らされて「そっちいっちゃだめ〜」と芋猫に抱きしめられてたのが脳内に焼きついてます。
あと袖に頭突っ込んでお尻と尻尾だけ見せて震えるのとか・・・ガタイがいいだけに可愛いと萌えていいのか、面白いと笑っていいのか戸惑いました。
演出さんグッジョブ←
一緒に観た友人もウサギさんと芋虫さんが少し気になるようなことを言ってたなぁ。このまま舞台ファンになってくれると嬉しい(私は猫推しですけどね!)
ウサギと二役のルイス・キャロルの姿で出てきた時は、そのノーブルで神秘的な佇まいに見とれてしまいました。
今回、ウサギ、芋虫、猫はかなり衣装で体型をデフォルメされていて、せっかくのスタイルが勿体無いことになってただけに、このルイス・キャロルは平方さんの長身足長スタイルが唯一観れてよかったなぁ。
平方さんのソロはウサギではなくルイス・キャロルになるのかな。
途中からアリスとのデュエットになるけど、温もりのある声に優しいメロディがとても素敵でした。
ウサギは狂言回し的なところもあり、アリスのインスピレーションでもあるからか時々シニカルになったり、4バカとだと一緒にバカみたいになってるのも面白かったな。

安蘭アリス
初めましての安蘭けいさん。
アメスタ特番でみんなに「関西のおばちゃん」と言われてましたがなるほど納得(笑)
アリスの状況や悩みが自分に重ねあわせる部分があるだけに、編集者やワンダーランドの住人達とのやり取りのユーモラスな部分に救われた。
自分がどんなに深刻になっても、周りから見たら滑稽なんだろうな〜って皮肉な視点と、慣れ親しんだボケとつっこみの間にほっとする面と、あと色々。
いろんな要素が一人の人間を作ってるんだってお話の芯になってる「みんなアリス」と重なっていて、そこも素敵。
あと、コミカルな動きや言い回しが多いのに、歌うと迫力のそのギャップもすごかった。
私は母にはなれないけど、母であるアリスがクロエに呼びかける歌は、私と私の母は中二の夏が終わらないままこの年になってしまったんだなぁなんて事を考えた(笑)ダメダメやん。

ふうかちゃんクロエ
ふうかちゃん、アメスタではふわふわしたかわいい女の子だなーって印象だったけど、舞台だとガラリと変わってお母さんにしっかり反抗してました。
キャラクターがアリスの感情の一部分なのはわかったんだけど、クロエはどういう立ち位置なのかな。
現実のクロエがアリスの中にいるわけはないし、ルイス・キャロルかシロウサギがアリスを誘うために見せた幻。「アリス」の「しろうさぎ」的な役割。でいいのかな?
帽子屋に操られるところと、最後の決戦のシーンでは表情が秀逸!と食い入るように観てた。
デスノミサミサするんですよね〜。すっごい観たくなった。

芋虫
二番目の小さな扉を開いたらすっげー妖しい世界が待ってた〜。(ちなみに一番目はウサギ。エレベーター落ちる歌もウキウキした〜)
友達が虫苦手で、好きなシルクのオーヴォも観てないって言ってたから大丈夫か心配だったけどこちらの芋虫は平気だったようで良かった。(むしろ終わった後、芋虫さん気になるって言ってて・・・猫推しだよ!)
新納さん観るのも久しぶりだったけど、なんかまたパワフルになっててびっくりした・・・なんであそこからいきなりパーンとハイトーンが出るんだろう。
歌はもちろんだけど、演技もちょこちょこしたリアクションが一々面白くて、アリスが最初のナゾナゾを簡単に解いたときの表情が大好きで毎回そこは見逃さないように集中してみてました。
かっこよくもあり色気もあり、そしてキュートな面もありで多彩な顔をもってる素敵な役者さんだな〜と改めて感動。
大阪楽ではお茶会シーンでアリスに椅子を譲ったら「芋虫座ってたからやだ」と拒否されしょぼん。
その後、モリスのお茶は何茶?ってのにモリスが「芋虫茶」と返してアリスに「うぇ〜」って顔されてまたしょぼんしてたのが可愛かった。
ドタバタシーンではエル・ガトのしっぽ掴まされて引っ張りまわされたり、モリスとの仲の悪さもコミカルで面白かった。
よく考え込んでじっと立ち止まったり、みんなから反応が遅れたりしても気にせずマイペースな芋虫。
私には芋虫要素が足りないなぁって思うので、時々新納虫さんを思いだして立ち止まって考えなくてはいけないなんて事も思いました(笑)

次はエル・ガトなんだけど長くなるのでナイト!

禅さんナイト&ジャック
四番目の扉はナイト。なんだけど、その前にウサギとアリスのやり取りがあって、どうしたらいいのと頭を抱える彼女に救いの(?)手を差し伸べるべくナイトが現れるわけなんだけど〜・・・
まあ、アリスにしてみれば離婚調停中の夫にそっくりな男に「君のナイト!」って言われても微妙だわな(笑)
移動式の階段の上に4番目の扉が現れて、うさぎが無理やりテンション上げて「白のナイトだ!」って駆け上がるんだけど、扉の向こうからペガサス(馬)の顔だけがじっとアリスを見ているのがシュールで面白かった!
ナイト親衛隊(?)もみんなこの馬(頭部のみのステッキみたいなの。外国のおもっちゃぽくてかわいい!)に跨ってるんだけど、禅さんの馬の扱いが秀逸で、腰をゆらし馬の頭を揺らしの動きはほんとに乗馬してるようでした(言い過ぎ)
そんで、禅さんあるところ、常に石川禅オンステージなんだなって(笑)
アリスに招待状を渡すところ、青山で観たときは「シュタッ」と言ってくるっと回るくらいだったのに、大阪では回るわ腕を振り回すわですごいことになってて「ぜーはー」してるわ、楽では「むだなことしてるっ」って!(爆笑)
でもその無駄な事がエンターテイメントなんだな☆と思ったり。
セリフもジャックの時はアリスとの間の緊張感やジャックのもどかしさがシリアスに表現されてたんだけど、ナイトの時は同じもどかしさでもやっぱりどこか滑稽、その分ジャックより哀しかった。
現実のジャックはもう半分はアリスに愛想を尽かしてたかもしれないけど、アリスの中のナイトはまだアリスに希望をもってくれてたんだよね。それはアリスの願望だったのかな。
最終対決の後、帽子屋の言葉に剣を下ろしたアリスに、最初に帽子屋に身を捧げるのがナイトだったのが、自分の一部ではなく、誰かを想う心(?)を殺したように感じて、ボロボロの禅ナイトにめっちゃ切なくなった。
そんで、毎回ふうかちゃんにお休みのキスをしてもらう禅さん、役得だなぁって観てたんだよね。うらやましい!(笑)

松原モリス
チラシのビジュアル見ても何のキャラか分からなかったモリス。
アメスタで「お茶会にいる三月ウサギ」と知って「へー!」でした。エル・ガトもだけど、この名前はどこからとってきたのかな?
チラシでも見るからに悪役なモリスでしたが、悪役は悪役なんだけど、えー・・・ボヤッキーみたいな。そんな感じ?(若い人にはわからない例えですみません)
帽子屋様の太鼓もちでめっちゃKY。
モリスが普通に歩いてる記憶がないくらい、帽子屋様の周りを常にふわっふわ飛び回っててまさに地に足ついてない!
しかも、最終対決のシリアスな場面でもモリスが後ろでいろいろやらかすもんだからそっちに目がいっちゃってかっこいい帽子屋様が見れないという罠!
でも帽子屋様にどんなに邪険にされても「帽子屋様ばんざーい」と纏わりついていくところが憎めなかったりするんだから不思議。
そんで松原さんてナニモノ?と、ブログを読んでみたけどモリス以上につかみどころがないわ〜。
アニソンシンガーという括りではおさまらないご活躍の幅に驚いております。
あとアメスタのときに見せた龍ちゃんを見守る温かな眼差しが忘れられません。
ウザさはエル・ガト以上?な松原モリス。実は結構気に入ってるのかもしれない・・・

ハマメグ帽子屋様
ついつい「様」付けしてしまう、それがメグさんの帽子屋様。
もうね!もうね!めーっちゃくちゃかっこいいからね!
クールな悪役だけどコケティッシュでユニークなところも持ち合わせていて、その存在に魅せられてしまう〜
帽子屋様を面白く見せているのはモリスだよね〜って思ってたけど、大阪公演ではハートの女王様が見てない時にめっちゃ顔をしかめて「けっ」ってぶつくさ言ってるのに、女王様が振り返ったらニコッと笑ってかしこまったり、エルガトのしっぽ引っ張ったり、帽子ちょいちょい触ったり、大阪楽ではとうとう取り上げてしまったり、色々やらかしてて面白かった。
あとクロエをたぶらかす時のやさし〜い声!
メグさんは二都物語モンテ・クリスト伯でも拝見したけど、どちらも気の強い女性の役だったのでこんな・・・優しげな声が!と驚いたのでした。
オフショットでも見るからにチャッキチャキな感じがするけど、ザ・ヒロインなメグさんも観てみたいな〜。古巣ではそういった役もあったのかな〜。
どんどんエスカレートしていく帽子屋様は衣装も3パターンあって、ノーマル、鏡の国の軍服、決戦の真っ赤な衣装は帽子屋様の大事な帽子に傷が入ってて、あれはどういう意味を含んでるのかな。
どの衣装もかっこよくて、クロエと出会うところはセリ出しから出てるって分かってても魔法みたいで毎回ワクワクした。
あの椅子に座って振り返ったときがめちゃくちゃ素敵なんだ!
あと帽子屋影を二人引き攣れてのダンスと歌はじわっとくる迫力でした。
帽子屋様は自分をアリスの中の悪魔って言ってたけど、それは育ちすぎてしまったからで、負けん気や彼女の強さと思えば欠かせない要素なんだよね。
実際、帽子屋様を失ったら小説が書けなくなると脅されてアリスはそれを受入れてしまったわけだし。
少し変わったアリスの中の帽子屋様は今はどうなっているんだろう?
不機嫌な顔をしながらも猫や芋虫にイタズラしてお茶を飲んでるのかな?
そんな事を考えると少し楽しい気分になるのでした。


ハートの女王美里さん
時代としては私すこしずれるのかな?でも音楽番組全盛期にはテレビでよく観たし、音楽に疎い私でも知ってる名うてのミュージシャン。
そんな渡辺美里さんがどうミュージカルしてるんだろ?って好奇心一杯で楽しみにしてましたが、良い意味で美里さんは美里さんだった!(笑)
あのぽやや〜んとしてるのも本人のお人柄なんだろうか。
よくあるアリスのハートの女王様とはかなり違う、愛溢れるまさしく”ハート”の女王様でした。
「首を撥ねよ」もどこかコミカルで可愛らしく、実際クビ撥ねられた人いないんだろうなぁって感じ。
登場シーンはゴンドラに乗って頭上から、そして二幕は帽子屋勢力増強中でゴンドラは下から。
色々笑い所も満載の女王様だけど、歌はさすが!
一幕の女王様のお出まし(でいいのかな)のロングブレスは、あれ、もうどうなってるの!?って仰天した。
後で友人から吐きながら吸うっていうのを聞いて、そんな事できるの!?吐きながら吸うってどういうこと?どうなってんの!?ってまたまた驚いていました。
二幕のジャジーな歌も楽しかった。
首を撥ねられる三人も忘れて女王様のショーにのっかっちゃうくらい素敵!
残念ながらこの二曲はCDに入ってないんだよね・・・色々あるんだろうな〜って思うけど、頑張ろうぜホリ☆プロ←
女王様付きの侍女三人やトランプガールズもセクシーでキュートなんだよね〜。
イカレタお茶会とはまた別の華やかでポップなショータイム!
は〜・・・また観たくなってきた〜

これで全員かな?
さて、いきます。大本命です(笑)
病深い私の戯言です。


エル・ガト龍ちゃん
今回公演中にたびたび写メがあがってて可愛さにクラクラしてたんですが、実際に見るとかっこよくてクラクラした!
衣装でかなり体格がよく見えて、そこにボルサリーノかぶるから結構年齢が上に見えた。
トークショーで年齢を言って驚かれたそうだけど、見た目だけでなく、舞台に取り組む姿勢がにじみ出てるもん。世の中の23歳と比べるとそれは仕方ないかなーと。
でも喋ると年相応?しっかりはしてるけど、きゃらきゃら笑ってるとこはかっわいくて今時のワカモノだ〜って思っちゃう。
そんな龍ちゃんのマジメなトコとチャラさがいい感じにミックスされたエル・ガトは9割お祭りテンションだけど、芋ちゃんの面倒見たりウサギ慰めたり、ラストでアリスの選択を静かに見つめる表情は静かで吸い込まれそうなほど。
泣きながら身を捧げたのはナイトだけで(これはアリスへの愛ゆえ?それとも願望?)、最後までクロエを守ろうと芋と一緒に戦ってた姿も凛々しかった。
その恐怖と怯えを抑えて帽子屋に立ち向かう姿が悲しいんだよね・・・
しかも帽子屋様、なぜかエル・ガトだけ二回刺すんだよ〜!最初見たとき「なんで!?泣」ってなったわ。ひどいよ!

前後しちゃうけど、アリスがエレベーターで落ちていくところの演出、ワクワク感満載ですごく楽しかった。
3のドアを持ったエルガトの尻尾がちょろちょろ見えてて、もうそれだけで「わ〜〜」ってテンション上がっちゃったしね。
登場もめっちゃかっこよくて、仕切りが取れた途端、パッと目を刺すサーチライト、パパーっと響くクラクションに、ギターの音色がキュンキュン重なって華々しい〜!
ボンネットにも座席にもエル・ガト勢がひしめいてて運転席のエル・ガトは拝めなかったけど、よくわかんないスペイン語(?)言いながら立ち上がった時は心の中でキタァアアアアって叫んじゃったよ〜。
ほんと、かっこよかった!喋りながらちょこまか動くのがえ*しらさんみたいで、喋るか動くかどっちかにしろってつっこみたかったけどそれがエル・ガトなんだよね☆
エル・ガトナンバーは陽気なんだけどどこか哀愁を感じるラテン系。(ラテン音楽ってどんなに陽気でも物悲しさを感じるのは私だけ?)
わっしょいお祭りテンションなのに曲は少し大人っぽいのがまた魅力的でした。
二番の上手から下手にステップ踏みながら歌うとこが好き。
大またで飄々とアリスに迫って拒まれて(笑)最後は彼女をその気にさせ、少し色っぽい振付も素敵だったな。
最後は抑えたとこからどんどん盛り上がってってラスト、パーンっと弾けるのがすごく気持ちいい!
こちらのボルテージも歌につられてグングン上がってくからかな、パッと発散されたエネルギーがキラキラシャワーの幻想が見えた〜(もうそれかなりヤバイ)

今回私のハイライトはエル・ガトが帽子とるところだから!って同行の友人に宣言してたけど、まさしくハイライトだった(まさか見失うとは笑)
イカれたお茶会。帽子屋勢がわっさーと出てきていきなり舞台上に人が溢れ、アリスと四バカも勢ぞろい。
モリスに招待状を見せるよう言ったナイトに、「招待状!?見せて見せて!」ってモリスとアリスの周りをぴょこぴょこしてたらナイトと芋に「バカっ」て引っ込められ、そこから帽子屋様出てくるまではロック・オンできてたんだよね〜。
お茶会ナンバーが始まって、きょとんとしてたかと思ったらお祭り騒ぎににゃふにゃふしだして、背中向けてもうずうずソワソワしてるのがまた猫っぽくて、お祭男エル・ガトでニヤニヤ見てた。
こういうのも背中で語る男っていうのかな?
で、何となく賑やかなダンスと歌に中央に視線を移して少し楽しみ、再び下手に戻したらエル・ガトがいなーい!!?
まじでー!?どこ行ったのーーー?って慌ててたら、なんと帽子屋軍団の輪にはいって後方センターで一緒に踊ってる!
しかもこの時帽子初脱ぎで、猫耳ーーーーーっ!なはずなのに、発見したときには既に帽子とっててボーゼンやった(笑)
二回目からは注目してたからしっかり観れたけど、初回まさかので自分でも笑ってしまったわ〜あー悔しい(笑)
そこからはちょこちょこ帽子とってたなぁ。耳がちょこんとついててかわいい。
明るい色のカツラも似合ってて、前とは少しニュアンス変えてるって言ってたかな?
白ウサギもモリスも、人間の耳が見えないようにカツラ工夫されててそれもへ〜って感じ。そだよね、耳よっつあったらおかしいもんねぇ。
うーん徹底して擬獣化されておる(違)

お祭キャラだけど芋ちゃんの介助したり平方うさぎをあやしたり、色々面倒みてて、しっかりした弟分って感じでもあった。
うさぎがアリスに怒鳴られて萎れたとき、尻尾握らせてぎゅーって抱きしめたのには萌えたわ。
あそこ物販写真にしてほしかったです制作さん・・・
帽子屋様に尻尾引っ張られたり帽子取られたりしてちょいちょい絡んでるな〜面白いな〜って思ってたら、まだ帽子屋様が荒くれてない頃は一番仲が良かった裏設定があったそうです(アメスタ情報)
芋とモリスが何なのってくらいお互い罵りあってたのも裏設定とかあったのかな?そう言う話もっと聞きたかった〜
でも帽子屋様とエル・ガトの絡みはほんと面白くて、帽子屋様のいたずらにエル・ガトがわたたっとしてるのが何度見ても飽きない!そして同じ事を二度しない!(笑)
キャストさんの間で共通認識されている設定が濃やかだから、何度見ても飽きない世界だったんだね。
「首を撥ねよ」では、ナイト親衛隊から帽子屋軍に鞍替えした元仲間がトランプのオネーサン達にクラクラしてるのを囃したてたり、自分もちょっとクラッとしたような顔をしたり、くるくる表情や身振り手振りが変わっててそれもまた毎回見ちゃうんだ。
もうね、目が離せない。でも他にも素晴らしいキャストさんやダンサーさんがいるのでそっちも観たいからすっごいこまった!
牢屋に捕らわれた所も、まあそれぞれが牢屋の鉄柵を持ってるだけなもんだからよく破壊してたな〜
その度に慌てて戻すのもご愛敬。主に壊してたのエル・ガトだけど、エル・ガトだからいいんだよね☆
ナイトに「アンタほんっと口だけだな!」って言う、その言い方が何か好きだったり。
細かいところ上げていくとキリがないくらい、かわいいしカッコイイし、何より素晴らしいエル・ガトだった。
私は楽しいことが好きだし、楽しくないことはやりたくない、エル・ガト勢がわちゃわちゃやってる気質かなって自己分析したけど、だからって楽しくないことはやらないってわけにはいかないんだよね。
それってただの無責任だし。
そこに、「楽しいから笑うのではない、笑うから楽しいのだ!」ってエル・ガトの言葉が重なって、やりたくないことでも笑って出来るようになろうなんて殊勝な事考えたりもしたのでした。
あー、やっぱり龍ちゃんは私に必要なこと教えてくれるわ〜なんて都合のいいコト思ったりね(笑)

また大好きな舞台が増えたので、再々演希望です!
もちろん、エル・ガトは龍ちゃんで!