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観劇、LIVE覚書

ラストフラワーズ  大人の新感線  2014.09.13

ラストフラワーズ

大人の新感線
2014.09.03〜30
シアターBRAVA!

作:松尾スズキ
演出:いのうえひでのり
音楽:東京スカパラダイスオーケストラ/岡崎司



さいっっっっっっっこう!のお祭でした!!
以下いつも通りの感想文です。

大人計画と新感線の子ラボとか楽しいしかないじゃない!と、情報公開からテンションあがりまくってキャッホーしてぐるぐるしてチケットとれてヤッターってなってました。
そんでフタを開けて観たらやっぱり「楽しい!」があって、「えっ!?」「うっひゃー!」「ちょっ!?」「ほへ〜」ときて、最後に「せつない・・・」となったわけです。
いつもならパンフレットにある粗筋やストーリーを書くんですが、今回のパンフレットにそんなものはありませんでした。
そして私なりに纏めようと考えましたが纏められるはずもありませんでした。
そもそもパンフに載せるためにまとめるプロ(おそらくそんな担当がいるとおもう)が匙なげたんだから素人の私にできるワケがないじゃない!!
そもそも前半真ん中くらいまでは三本くらい別の話が舞台上で代わる代わる進行されていて、えっ?これどうまとまるの!?って観ている内にどんどんどんどんあちこちで勝手にやってたキャラクターが集結してきて話も集束してきて最後にはきれいな三つ編みおさげになってふと見あげたらおさげ姿のいのうえさんと松尾さんの笑顔が見えたっていう・・・
そう言えばいのうえさんは今回もロビーでふらふらさまよったり立ち話されてました。大体いつも気軽にその辺にいる。(余談1)
ドタバタ活劇ありーのホームコメディありーのハートフルありーのド直球の風刺ありーのやるかやられるかのアドリブありーので、両劇団のいいとこ取り取っ手だしのとっておきばっかり!
って、今なんとなくパンフ見てたらラチマネさんの名前があってびっくりした!誰か東宝所属いたっけか?(余談2)
某国のとことかあまりにもまんますぎて風刺は大衆娯楽の王道だよな〜って思いながらも、今の日本でこれが上演許可下りるのはエンタメに刺激されて政治活動とかする人がいないからだよなとそんな事を考えたりもしました。まじめか。
しかしあまりにも直球過ぎてこれ某国で上演できないって考えてから上演しないからいいのかって。
でもあの国の偉い人に見て欲しい気はする(笑)

人間関係と物語の絡みが複雑なようなシンプルなような?
みんな大好き任侠物とスパイ物と人情物にお色気と笑いをふんだんにぶっこんで一つのなべでごった煮にしたような話なんですが。
私としては聖子さんと古田さんの夫婦役!!!を拝んだけでぶっとびんだのに、まさか、せ、接吻シーンまであるとは思っておらず、思わず変な声でたよね。
しかも大画面にドアップで映し出されて二人ともふんぬっと唇食い縛っての接吻に何の色気もあるものか・・・
いや、ほしいと思ってないけど・・・
やくしゃさんってたいへんだなあっておもいました。

聖子さんはそのオカン役ともう一つ、橋本じゅんさんのビッグマムな役もされていて、っていうか、今回メインにも関わらず一人二役の人が何人かいてほんと大変そうでした(笑)
阿部さんは終始かわいかったです。この人演技うまいなーって毎度思うんですが、演技上手い人ってマイペースだよなーって今回の舞台見て感じました。
皆さん、他人に振り回されないっていうか、相手に合わせない(笑)
そして他人を巻き込んで「うっしゃ!」ってしてる方々なので、ちょいちょい挟み込まれるアドリブで終始マイペース貫いた阿部さんと古田さんはやっぱ演技うまいよなーってなるわけです。(阿部さんはちょい揺らいだけど笑)
松尾さんも自分でぶっこんで回収し損ねるという事態に笑わせていただきました。アドリブって言うか素だよあれ!でもそれがすき。こういうお祭り舞台はもう本筋さえ守ってればなんでもアリだよね!楽しんだもん勝ちや〜♪

あと似非メガネ好きの私としては、今回粟根さんがnotメガネyes眼帯でひゃっふー☆してたわけですが、ちゃんとちゃんとメガネ男子(え)も用意されておりまして、何かもうそれならいっそ粟根さんとWメガネでもよかったのにと内容とは関係ないところでめちゃんこへこみました。
みたかった・・・Wメガネ・・・。二人ともいいメガネですよ。いいメガネは活かさねばならないともっと真剣に考えて欲しい。

小池栄子さんも素敵な女優さんですね(突然)
髑髏城で拝見して、肉感たっぷりなのにいやらしくなくて素敵だなーと感じてたんですが、今回も肉感たっぷりお色気役なのにフレッシュな感じがすごく素敵でした。
なんでフジコちゃんは小池さんじゃなかったんだろ・・・ンガッふっふー♪(間に合ってない)
タイトなレザースーツもお似合いでしたが、登場時のキャバレー歌姫ラメラメぴたぴたワンピースもヨダレ物でした。
それにしても石原さとみちゃんの時といい、じゅんさんは毎回おいしいなあ・・・
その美女かホモかみたいな二択はなんなの。
小池さんはお色気スーツも捨てがたいですが、何故か昭和ドラマにはまり込んだ貧乏漫画家の良妻な衣装と喋り方もツボでした。
セクシーもオモシロもカッコイイも出来る上にそんな昭和テイストまで!?万能じゃん!
そして今回はヒロイン役?といってもいい?感じだったので、さらに好感度が上がりました。
また新感線の舞台で見たいな〜。

あとお色気といえば小池さんの後で踊っていたダンサーさん四人がべらぼうにかわいくてびっくりしました。
あと蒼井優ちゃんと中井さんの映像出演とか・・・豪華すぎるやろ。
そんで豪華と言えば音楽が東京スカパラダイスオーケストラですよ!スカパラですよ!
劇場入った瞬間からいつも新感線はお祭空気でわっふるわっふるするんですが、その空気にスカパラのグルーヴが加わってさらにテンション上昇です。
めっちゃかっこいいな?
めっちゃかっこよかったやんな?
誰に聞いてるのか。
そんな誰にともなく同意を求めたくなるほど格好良かったんですアホの一つ覚えみたいにカッコイイとカワイイを繰り返す感想ブログです。
新感線は毎回幕開きが格好良くて痺れるんですが、今回もスカパラの音楽+照明!にくぁ〜〜〜〜っと痺れました。
は・で!
スパイ物らしい音楽にオレンジの照明がカッとド正面について、ワクワク
そこから徐々に色が変わって上からのオレンジに、ソワソワ
青に変わってサーチライトが客席、舞台をなめ回して、ドキドキ
オープニングは小池さん演じるキャバレー文明の歌手「ななな」の歌に合わせてバックスクリーンに次々浮かび上がる役者陣!
もうね、目が二つ欲しい!あとそれを受信できるノーミソも二つほしい!
小池さんのセクシーかわいいダンスと歌も気になるし、スクリーンに映るキャスト紹介も気になるし、目があっちいったりこっちいったり忙しいっちゅうねん!
もうこの映像駆使したやり方は新感線の鉄板になってるけど、最初は「うーん」だったのが今や「ハイキター!」ってなもんだから飼い慣らされてると自覚するしかない。
映像技術も使い方も向上してるしね〜。未だにRHSはもう少し何とかならなかったのかと思うけど。

そんで、ストーリー纏める力がないのでそれは諦めますが、ドタバタSFスパイ活劇ハートフルホームコメディで、最終的にホロリとさせられると思ってなかったのであります。
クドカン死んじゃったとことかほんとどうでもよくて(←)
あー死んだわー。て流してたんですが、新太さん@国家公務員でありながら大家族のファットダディ佐伯が、娘の敵(長女を殺されている)の阿部さん(色々あって記憶障害)を家に連れ帰って育てるって流れがグッときました。
ほんと、どんな荒唐無稽な話でも家族物だされると弱い。
佐伯の長女ハナが死んでいる伏線は、阿部さん演じる勝場軍二郎が娘ハナを殺した犯人と分かった時点でてっきり回収されたと思っていたので、まさかこんな最後まで引っ張ってしかもこんなしんみりあったかい終わり方にもっていくとは思っていもいませんでした。
そしてそこから更にクドカンを追いかけてルポしていた砂漠ひかるちゃんのくどかん伝記に繋がって、星野源さんの「ラストフラワー」です。
この歌・・・すっごいいいんです!めっちゃ良くて、ここまでの怒濤の展開をすーっと優しく吸い込んでくれるというか包み込むというか、なんかもう、あー祭り終わっちゃうな感もあってジーンとしてしまいました。
そこからまたカテコがみんな花持ってリボン振ってのタカラヅカ?ナニワ歌劇団?的なカテコで、それまでドタバタゲラゲラドタバタギャハハって笑ってたのがウソみたいに寂しくなって、まさか涙ぐむとは思わなかった。
ラストフラワーはスカパラの歌でもあるようですが、是非星野さんverで音源出して欲しいです。
今回サントラ売ってなかったんですよね〜。いつもなら公演中に既に音源出てるのに・・・スカパラ絡んでるからやっぱ難しいのでしょうか。だして!お願い!
DVDも出して!何か今回色々やりすぎててこれDVDでないんじゃないのって一抹の不安があるよ〜。頼むよ〜。

何かとりとめなく書いてますが、本当に前半〜中半ドタバタ、中半〜後半ちょいドタバタのシリアス展開、そこからすーっと波がひくように全てが収集されて、ラストフラワーが歌われる。
すごく気持ちの良い終わり方で、これは新感線だけでは出ない後味だよな〜とふわふわしながら帰りました。
私の新感線の後味はどんなドン暗い内容でもスパッとエンタメわっしょい感です。
こんなセンチになることまずないよ〜。内容はコメディアクション?なのに、隣りに誰かいたら寄り添って手を繋いで帰りたいくらい気持ちがラブラブしてました。
残念ながら相手がいないので一人でふわふわして帰りましたが・・・くっ

二度と無い、今回限り。と役者さんのインタビューでも書かれていたのですが、また30年後くらいにやって欲しいな。
それまで若手も年寄りも「からだだいじに」で役者を続けて欲しいです!