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観劇、LIVE覚書

Dramatic super dance theater サロメ   20140906

Dramatic super dance theater サロメ 

THEATRE1010
2014.09.05〜07

構成/演出/振付 上田遙
振付 新上裕也
音楽 川井郁子/T-LAYLA
美術 河内連太
証明 柏倉淳一
音響 柳浦康史
衣装 朝月真次郎
ヘアメイク 寺岡ふう子
舞台監督 粟飯原和弘


東山義久  サロメ
桜木涼介  エロド
桐生園加  エロディア
長澤風海  親衛隊長
田極翼   首切り役人ナーマン
三浦宏規  少年
タツル   楽士
小寺利光  コロス
中塚皓平  コロス
和田泰右  コロス
佐々木健  コロス
羽鳥翔太  コロス
工藤裕哉  コロス
舘形比呂一 ヨカナーン


STORY
今日はエロドの誕生日。
エロドは、妻エロディアの前夫を暗殺し、権力の座を手に入れた、世界征服を夢見ている狂気の王。
ロディアは権力志向の強い女で、常に力のある男に身を委ねてきた。
親衛隊長はナーマンと同様、冷酷な男で、王のためなら平気で人を殺す。
そして、大人の欲望と、暴力と、死を拒絶しているサロメは、毎日奴隷の少年と戯れている。

宮殿には不思議なヨカナーンの声が響いている。
エロドはヨカナーンを神の使いであると信じ、恐れている。
ロディアは、自分の悪業の全てを知るヨカナーンを抹殺したくてしょうがない。

エロド王は全てのものを手に入れた。
力も金も。
しかし、サロメだけは自分の言うことを聞かない。
ロディアは、自分の娘サロメに向けられるエロドのいやらしい眼差しを苦々しく思っている。

サロメは、ヨカナーンの声を耳にした。
その声に心を奪われ、その声をたどっていく・・・
と、そこにヨカナーンはいた。

カナーンと出会ってしまったサロメ
娘の中の女が目覚める・・・

「ヨカナーンの唇に口づけをしたい。」
この想いがサロメを支配する。
(パンフレットより)


上野発の電車にはいつも惑わされますが今回も惑わされました。
そんな感じの個人的感想です。考察とかしない。

リーダーの単独公演って言うと、ニジンスキーボレロのイメージで、共にヘヴィで観劇後の疲労感がすごい!という経験から、サロメも覚悟していたんですが、予想外のロマンチックなラストにいまだにふわふわ余韻の中でございます。
これって演出家の味なんだろうなと思うんですが、内容はどろっとしたものなのに爽やかささえ感じる晴れやかなフィナーレで、一度目の観劇後は「なにこれー」と不思議な気持ちでふわっふわしていました。
そのふわふわの正体は夜公演のトークショーで明かされたのですが、なるほど納得ですっごいスッキリ!
上田先生いわく、最後のシーンは「結婚式」なのだと。
だからサロメはヨカナーンの首を抱いてあんなに晴れやかな顔で、時折恥らったりはにかみながら踊っていたのね。
もう、その様子がとてもかわいらしくて。
踊り手さんの性別や実年齢など関係なく、本当に十代の少女のように見えてしまったのです。
ええ。見えてしまったのですよ。
アラフォーのガタイのいい男が少女に!(笑)
今までも幾つもの公演で性別不明なのは知らしめられていましたが、まさか性別どころか年齢も超えられるとは・・・おそるべし。
サロメちゃんは本当に本当にかわいらしくてですね。
しかし「私、かわいい」を分かっている女の子なので鼻持ちなら無いところもあり。
義父であるエロド王の執拗でいやらしい命令は断固として拒否し。あまつさえ小ばかにし翻弄するようなところもあるのです。
そして、ヨカナーンの声を聞き、彼に会いたいと会わせろとエロドの部下に迫る時はただの純粋無垢な少女ではなく、奥底に潜む女としての顔(これはエロディアの血でしょうか)を覗かせて、その命を拒否していた部下を落とすわけです。恐ろしい子
更にはヨカナーンへ想いをぶつけるところなんかは全身全霊全力全開で、まさしく体当たり。
学生時代に先生に猛烈アタックかけてた友達を思い出しましたよ。ええ。
高校教師ヨカナーン先生とサロメちゃんとか想像したら何だかそれが定着してしまって、うっかりコメディ仕様です。
でもそれくらい面白かった!
舘さんの迫力のダンスも、ただ在るだけで溜息でそうな肉体美も、東山さんとの絡みに絡みまくった濃密なデュエットも素晴らしかったのだけど、ところどころに散りばめられた笑いのエッセンスが私の中で膨らんで、膨らみすぎて、ダンス・シアター・コメディになってしまっているのです。

もちろん可笑しかったのは東山さんと舘さんだけではありません。
桜木さん園加さん、コロスの皆さん。
其々にユーモラスで人間味溢れるキャラクターを演じてらっしゃいました。
終始シリアスしてたのは首切りナーマンと親衛隊長くらいじゃないかな?
中でもエロド王を演じられた桜木さんは、ダンスもさることながらまー喋る喋る。
そういう役割で演出なのですが、もの言わぬサロメやエロディアに必死で弁舌する様は滑稽の一言。
そしてそのエロドに言葉より雄弁な表情、動きでもって応え、反論するエロディアサロメのシーンは抱腹絶倒の可笑しさです。
妻と娘の無茶振り板ばさみにうろたえ、憤り、嘆き、懇願する男の情けなさったら。
サロメにヨカナーンの首をくれって迫られる場面なんですが、もうここ一番のお気に入りシーン!
ロディアもその前までは「女」としての地位をサロメに奪われてハンカチ引き裂く勢いで怒ったりおろおろしたりしてたんだけど、サロメの欲しいものがヨカナーンの首と知るや手のひら返して「よくぞ言った我が娘!」と大喜び。
その表情、仰け反って笑う様や、サロメに詰め寄られ弱りきったエロドの背中に乗っかって笑っているのがすごく好き。
そこでエロディアを振り落として「母親の言葉を聞くな!」と怒るエロドと、ヨカナーンの首!約束!とまとわりつくサロメのドタバタはちょっとしたホームコメディ。(内容はかなーり血生臭いですが)
園加さんはトークショーで「今までやったことないお色気役なので」と自分と真反対のエロディアを演じる難しさ楽しさを語ってらっしゃいましたが、園加さんだからこそのエロディアでした。
それが一番よく現れていたのが、二幕冒頭のダンスシーン。
ロックミュージックにエロド、エロディアを中心にコロス達が踊るのがもーめっちゃくちゃカッコイイ!
ちょっと、新感線ぽいなって思ったのはロックミュージックと派手な演出のせいかなって思ってたんだけど、よくよく考えてみたら園加さん@エロディアが聖子さんの悪役を彷彿とさせたんだなって時間が経ってから気付きました。
中身が健やかだからこそ、「悪女」を演じたときに醸し出される、キリッと締まった妖しさが二人の女優さんに共通してるんですよね〜(あくまで個人の意見です)
フェロモンたっぷりのお色気美女より、少し抜けていて、けど強欲で、強かで、時折ドキッとするほど妖艶な顔を見せる。
とっても私にドストライクなエロディアでした。

エロド以外で喋るのは三人のコロス、泰ちゃん利さん皓ちゃんです。
舞台冒頭最初に言葉を発したのがこの三人で、それで「あーこの舞台セリフ芝居もあるんだー」と←
いや、ドラマチック・ダンス・シアターって言われてもピンとこないじゃないですか?
ミュージカルではもちろんないだろうな、でもアクトってついてないしな、そもそもシアターって「**劇場」とか「***シアター」とかって、ちょっとしたコメディ、小芝居的なニュアンスで使われるイメージがあったのでなんだろうな〜って感じだったんですよね。
それで、サンタコが喋って。コロスが語り部するのかと思いきや、三人はそことあと二カ所くらいであとずーっとエロドが一人でべっらべっら喋ってるっていう。
新しい演出だな〜って見てて思ったんですが、よくあるんですかね?←
あ。口が悪いですが、私、心の中でこの三人をサンタコと呼んでおりました・・・
コロスは他にも四人いたんですが、そちらはダンスパフォーマンスメインで一切喋りませんでした。
それに対して、この三人。
初っ端から「いかにも美しい」と、サロメを讃えるんだけど、なんかのほほーんとしていて緊張感が無い感じが可笑しくて、思わずふふっと笑ってしまいそうに。
その後も、ヨカナーンの声を聞いたサロメが、宴に戻るように促しにきた三人にヨカナーンに会わせろと強請るところも、利さんは「できません!だめですそんなこと!」の一点張りで「もうお前ええわ」と打ち捨てられ。
次は誰かと見てる間に泰ちゃんが「私は何も恐れません!」なんて言うから、おっ?と思ってたら「私は何も恐れません!ですが、王のご命令なのです!」って結局あかんのかーいってがっかりして、やっぱり泰ちゃんも「もうええっ」って打ち捨てられて。
いよいよ残るは皓ちゃんのみ。と視線を向ければ、いきなりダッシュで逃亡(笑)
しかし逃げ場をなくし、あたふたしながらまた別方向に逃げるもたやすくサロメに捕まって、「ダメです!出来ません!勘弁してください!」って泣きを入れたのも束の間。
後ろからサロメにしなだれかかられ、何かを耳打ちされ、「・・・誰か、あの預言者を連れてまいれ。(泣)」って。
落ちるのはっや!と、心の中で突っ込んでしまいました。
この一連のやり取りも好きな場面です。
D麺だからよけいに可笑しく見えるのかな。
「もうええわ」って打ち捨てられた二人が床に這いつくばってるのも、追い詰められた皓ちゃんがガタプルしながら「ああ〜サロメ様のにおい〜といき〜はわわ〜」って感じなのも、愉しすぎるでしょ!
そんでこの時ばかりはサロメちゃんが「ととと」って感じの軽やかな足取りじゃなくて、「のしのし」って感じなのもねぇ・・・。
そんな風に見えたのは私のイロメガネでしょうか。

カナーンが登場してからの、エロドとエロディア三人のターンもお気に入りのシーンです。
カナーンを神の使い(もしくは神そのもの)として崇めるエロドと、彼を抹殺したくてでも怖くてできないって感じのエロディア
それぞれが台座の上のヨカナーンを挟んでコロスが持つ大きな旗の影から覗いたり、ちょろっと出てきて彼に触れようとして「あわわわ」とまた旗に隠れたりを繰り返す。
これがもうコミカルで、二人の表情も動きも秀逸!
「くすっ」じゃなくて、終始ニヤニヤニヤニヤ二人を見てました。


何か笑いの要素ばっかりだな。
いや、私の中でコメディに位置づけられてしまっているからなんですが。
あ!でもダンスはもう、そりゃ見事なパフォーマンスのオンパレードでした!

超私的ベストスリーとか選ぼうと思ったけど選びきれない!←
一番素敵だなって心に残っているのはやっぱりフィナーレの結婚式なんですが、ナーマンがヨカナーンの首を切るところとかもうすごい、本当に凄くて、息を呑んで見つめていました。
それからさっきも書いたけど二幕冒頭のロックシーン。ここはもう、楽しくて痺れる!って感じだったし、七つのヴェールからのサロメのターンはどれをとっても素晴らしかったです。
よく考えたらラストの大曲二つぶっ続けの印象だけど、その前から結構踊り倒してるんだわ・・・そりゃ四回公演だよ。十回もやったらしんじゃうよ。
一つ一つ書いていくとトンデモナイ文字数になるのでなるべく簡潔に印象に残ったシーンを書いていこうと思います。

とにかくフィナーレの結婚式!
カナーンの首が撥ねられ、落ちてきた首をキャッチして踊り始めた時のサロメはすごく妖しくて、このまま黒サロメに変わっていくのかな〜と見ていたところ、さーっと舞台上が明るくなって、サラサラと空から砂がこぼれ落ちてきたんですね。
砂漠のイメージの淡い金色の照明に次々と場所を変えて流れ落ちてくる砂(実際は特殊な塩らしいです)
曲も一転、激しさよりゆったりと流れる大きな川のようなイメージ。
その明るい世界で、ヨカナーンの首を抱きしめたり、咥えたり、放り投げたり、振り回したりしながら楽しげに踊るサロメは本当に幸せそうで、血なまぐさい話だった筈なのに、なんでこんなにきれいなんだろうと不思議な気持ちでした。
膝に抱いた首に頬をよせ、うっとり虚空を見つめていたかと思ったら「くふっ」と幸せを隠しきれずに笑うサロメ
首を腕に抱いて、恋人とはしゃぐようにぴょんぴょんと飛び跳ねるサロメ
念願叶って、ようやく、ようやくヨカナーンの唇に触れるサロメ
恥じらったり。堪えきれない喜びに駆け回ったり。
抱えているのが首でなければ「恋愛成就おめでとう!」と言ってあげたいところなんですが、まあ、抱えているの首なんで、ね。
そんな祝福モードは、現れたエロドの「サロメを殺せ!」の一言で終わってしまうのですが、その時のサロメの表情が絶望ではなくやはり幸せそうで、そこからまたカーテンコールのヨカナーンとのデュエットに繋がって、あーサロメは何だかんだ想いが成就できて幸せのまま逝ったんだなと。
本当に血なまぐさい話の筈なのに、感想書いててもまだ「幸せ」って言葉が浮かぶほど良い終わり方でした。
カテコでのデュエットのときに、それまで無表情だったヨカナーンが僅かに微笑んだのと、サロメが晴れやかに笑っていたのがまたその気持ちに拍車をかけるんですよね〜。
乙女の笑顔だったよ・・・


エロドを讃えるダンス
サロメにソデにされ続け、やけになったエロドが部下達に「オレを讃えろー!」と命じて始まるナンバー。
ここもロックナンバーなんですが、ここまで書き漏れてたけど、生ドラムなんです!
泰ちゃんのツイッターでドラム奏者さんが出てて、なんで生ドラムなんだろうとこれも不思議に思いながら観に行ったんですが、すごい迫力で最初は音に圧倒されました。
他の音は打ち込みだったけど、それと生演奏合わせるのも、そこにダンス合わせるのも難しそう。
何かもう色々新しい事だらけで頭追いついていってませんね。
そうそう。それでこのシーンの私的見所はコロスの工藤さん。
メイクがかなり濃いめだったので、彼であってるのかどうか不安ではありますが・・・間違いはないと思うんだ〜
他のコロスがエロディアやエロドと絡んで踊る中、彼だけが孤独に一人で倒れて起き上がるの反復だったり、側転を繰り返すだったりでもう、目が吸い寄せられるったら。
何で先生は彼にこんな孤独な役を負わせたの!?
でもエロドに蹴転がされてからのそれだったので、奴隷っぽいってことかしら、あれが彼の忠誠の表し方なのかしらと夜公演は更に注目して見てしまいました。
立ち上がった時に首をコキってするのがいいんだ。

ナーマンと親衛隊長のターン
トークショーでエロド桜木さんに「おまえら付き合ってんじゃないの」と言われるほど常に一緒にいた二人(+エロドと三人なんですけど)
とにかく親衛隊長風海さんがかっこよくて、軍服がめちゃくちゃ似合ってて青い血が流れているとか上田先生に言われてました。
つっくんナーマンは彫刻のような体に仕上げてきてと言われたそうで、まんま!まんま!彫刻のようでした。
ラファエロ先生がご存命ならよだれたらして抱きついてるレベル←
そんな二人のダンスで一番の見所は、二幕でヨカナーンの首を撥ねるシーン。
下手から登場してくるナーマンの一歩一歩にドラムの音が重なり高まっていく緊迫感。
親衛隊長に「死の指輪」を填められて、それを飲み込むナーマンの体が赤く染まっていく演出にゾクゾクした!
さらにさらに一目見て新上さん振付とわかるダンスは、極限の肉体美!
青と闇が混ざり合う中、赤く浮かび上がるナーマンが命を奪う喜びに捩れ、高揚していくのを息を止めてじーっと見つめていました。
もう頭の中も全部つっくんの筋肉で埋め尽くされてた。これDVDでたら絶対デッサンするっ。
しかも、すでに首切り始まってるのかなーって思ってたら、大きな斧を持って再び親衛隊長登場。
それにぬっと手を伸ばし、再び斧を振り上げ踊りだすナーマン。
トークショーで出た話ですが、最初は斧にたどりつくまでに限界がきてぷるぷるしてたそうです。
しかも本番用の斧が届いたのが昨日(公演初日!)で、けっこう重くてびっくりしたとか。
ある程度重量があったほうが振り回しやすいでしょうが、そこまでにかなり踊って(しかもすごく消耗しそうな振付)、そこからまた・・・って。
何か色々関係ないことばかりかいてますが、私の語彙と感受性では語りきれないほどすごかったんです。

サロメとヨカナーンの攻防
連れ出されたヨカナーンは台座の上に座った状態で運ばれてくるんですが、少しくらい振動がありそうなものなのに前に突き出した腕が少しも揺れないのにびっくり。
そして浮かび上がるシルエットの美しさ〜。
ナーマンが鍛え上げた筋肉美なら、ヨカナーンは極限まで削ぎ落とした肉体美というところでしょうか。
アバラがういた体に、呼吸をするたびに腹部が開閉するのが蟲のようで、もうそこばっかり気になって見てしまってた。断食中の僧侶とかあんな感じなのかな。
実際舘形さんもストイックなんでしょうが、ヨカナーンの神に仕える矜持や神々しさが肉体からあふれ出てました。
そしてそんなヨカナーンに出会ったサロメの反応がいちいちかわいくて。
カナーンが立つ台座に腰掛け、顔を両手で覆ってるのは照れてるのか恥らってるのか。
とにかく「あー恋しちゃったのね」って感じで、かわいらしいんです。
そこから最初に語った痛快☆サロメちゃんが行く!(違)に変わっていくわけです。
ふざけたこと書いてますが、ねっとり絡む二人のデュエットは脳内リプレイ不可能なほど複雑で激しく、時に緩慢で、流れる川と言うか水と言うか・・・とにかく凄いの一言です。
しかも、セリフはないけど二人の会話が聞こえてきそうなくらい饒舌なダンスで、そこが想像力膨らませて痛快☆なんてふざけた妄想に走る原因なのかもしれません(さらっと二人のせいにした)
一番好きで記憶に残っているのが、散々攻防を繰り広げて仰向けに倒れたヨカナーン(無防備極まりない)の上に、サロメも仰向けに重なった後、そっと上半身を起こしてヨカナーンに口付けしようとして全力で拒否されたところです。
書き方がアレなんですが、一連の「ヨカナーン!キスさせて!」「断る!」の流れの中で、サロメの接吻はマウストゥマウスではなく、自分の唇に這わせた手をヨカナーンの唇に触れさせようとするという非常にロマンチックかつ繊細な動きなんです。
それを拒否するヨカナーンサロメの腕を握って近づけまいとするので、お互い押し合ってぷるっぷる腕が震えてるんです。
二人とも真剣だからなお面白く見えてしまって。新上さん振付だと思うんだけど、何を思って振付されたのかどこかで語られていないかしら(コメディは目指してないと思うけど)
そしてこの攻防にも前半戦後半戦がありまして。
一通り技を繰り出して、一旦諦めたようにみせかけた(?)サロメちゃん。
今度はヨカナーンの背後に回って紫のロープで彼の手を縛ります。
そしてそこから二人の攻防戦再びなんですが、それまでと曲が変わって、ちょっと必殺仕事人のちゃらら〜♪ってのと旋律が似てて、もう脳内大混乱です。
笑いどころじゃないはずなんだ!でも沸々と可笑しさがこみ上げてくるし、目の前の二人は真剣そのものだし、技術はハイクオリティだし、頭も目も心も息つく暇なく動きっぱなしです。
いつも思うんだけど、観劇中って皆何考えてるんでしょう。思考ストップで物語りにのめりこんでるのかな〜。余計なこと考えまくってるの私くらいかな(集中力がない)


簡潔どこいった。
でもまだまだあるんです。思い返せば返すほど、あそこも、あそこもとあふれ出てくる。
サロメが事あるごとに地団駄踏んだり、エロドのこと気持悪いオッサンとして認識してたり、そうそう、ヨカナーンの首ほしさに踊り子の衣装に着替えて再登場した時は「見下しすぎて逆に見上げてる!?」って某ヘビ姫様状態でした。
なんであの子あんなドヤッてしてたんだろう。いや、サロメちゃん終始ドヤドヤではあったんですが。
あー。あと、まったく触れられなかったけど、三浦さんの少年とサロメが踊るとさすがに年齢は隠せないんだなと思いました。
三浦さんまんま「少年」って感じの幼気さ。そしてダンステクニック。
斜めジャンプでの回転は「うっわ!」って目をかっぴらいてしまいました。
一幕冒頭が少年とサロメのデュエットなんだけど、一度目は仲良く戯れる姉弟的な感じで見ていたけど、二度目はサロメの目線や気のない素振りに、少年はサロメの退屈しのぎで大嫌いな両親から距離を置くための道具でしかないんだなと感じた。
サロメの関心がヨカナーンに移った後、彼女の気を引こうと健気に振る舞う少年が切なくてね。
文字通り彼女無しでは生きられない少年はまんまと親衛隊長に殺されてしまうんだけど、サロメはそれにも気付かず恋の中なのですよ。

ひたすら熟々書き続けてしまいそうなので取り敢えずここで締め!
再演がかかることを大大大大大期待しています。