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観劇、LIVE覚書

LOVE CHASE!!  20140503 (1幕)

ミュージカル・コメディ LOVE CHASE!!

シアタークリエ 4.9〜24
愛知県芸術劇場大ホール 5.1
サンケイホールブリーゼ 5.3〜4

作・作詞・演出・振付:玉野和紀
作曲・歌唱指導:NASA
制作:東宝
Band Members
ピアノ・コンダクター 江草啓太
シンセサイザー 松本かよ
リード 今尾敏道
ベース 佐瀬正
ドラム/パーカッション 佐藤唯


ある時。神は命令した。
「悪魔の夢魔が、人間界で人間の男女に姿を変えて、人間達との恋愛を楽しんでいる。ついては、夢魔を連れ戻すように」と言うのだ。
神の命令により、魔界の堕天使アザゼルと、天界の大天使ガブリエルが人間界に降り立った。
人間界では、さまざまな恋愛模様が繰り広げられていた。
夢魔はまるでゲームを楽しむように彼らの恋愛に首を突っ込みかき回している。
それを阻止すべく、アザゼルとガブリエルも人間の男女に姿を変え、夢魔を追いかける!
そんな事とはつゆ知らず、恋愛騒動に巻き込まれていく不器用な人間の男女たち・・・
夢魔と天使と人間による、ラブ・チェイス
はたして、その結末とは?
(パンフレットより)

待ちに待って待って待ちまくった龍ちゃん出演ラブ・チェイス
大阪公演二日間楽しんできました〜。
以下。いつも通りの感想文です。
玉野センセのお芝居系はまさかのチェンジでちょっとした苦手意識ができてしまってたんですが、C7のようなショートショート仕立てがよかったのか今回は数回観ても笑える楽しい舞台でした。
稽古中のニコ生公開放送でオムニバス形式と言ってたので、そーなんだ−。と観ていたら、何の何の、一本のお話にちゃーんと繋がってました。
うーん。良い感じで騙された!
ネタバレは絶対厳禁の内容なだけに、ああいった場でどうやって内容を説明するか相当困ったのではないでしょうか。
その後、龍ちゃんにラブミュでもラブチェイスに触れる時は極力内容に触れない方向で話してましたしね。閲覧側からも大きなネタバレなくコメントが流れてて、観劇した後、そんな所でもすごく気持ちが良くなりました。

さて。内容に触れる前にこの舞台、人物関係が少しややこしいので先に整理しておきます。
神様が夢魔を連れ戻すために使わしたのは実はアザゼルとガブリエルだけでなく、天使ハニエルを二人よりも先に人間界に向かわせていました。
これは冒頭でガブリエルにだけ伝えられるので、最後の幕引きに際してここをどう解釈するかで雰囲気が変わってくると思われます。
私は最初ガブリエルは何も知らなかった、ハニエルの存在に気付いてなかったのかなと思ったのですが、二回目以降は二人が申し合わせているようにも見えました。
実際どうだったのかは語られないので、皆さんお好きに解釈して下さいって所なのかな?
とりあえずパンフレット記載のまま人物紹介します。()内はセミナーでの通称です。

玉野さん 悪魔アゼザル 人間:黒田巧(ブラック)
水さん  悪魔 夢魔  人間:男(クール)女(ドリーム)
紫吹さん 天使ガブリエル人間:男(スタイル)女(リリー)
木村さん 天使ハニエル 人間:羽鳥愛(ハニー)
原田さん 天使1    人間:徳川正(ジェントル)
野島さん 天使2    人間:溝口哲平(ヒート)

綿引さん (ピュア)
馬場りょ (シリアス)
るいるい (クラウン)
広瀬くん (ティミッド)
龍ちゃん (ノーティス)

原田さん、野島さんにあえて「天使」と付けているのに、若者四人は通称だけで天使か人間かの名言をしていないのもラストの解釈に大きく影響が出ると思います。
もうここまでで大筋は読めるんですが、実際に舞台を見ると伏線につぐ伏線で何度も楽しめる構成になっていました。複数回観たい(ファン心理として)公演でこういった何度でも楽しめる、新しい発見がある舞台は嬉しいです。
感想を書くにあたっては、龍ちゃん達はそのままの名前で書いていきます。劇中劇が多いので名前が混乱してしまいそうなので・・・
ガブや夢魔はその時の登場形態が分かり易いのかな〜。
とりあえず自分用の思いでメモなので、読み返した時に自分が分かればいーかな・・・←

さて。幕開けは神様がアザゼル夢魔捕獲を命じるところから始まります。
・・・悪魔って神様の言う事聞くんだ???ってのはこの際こっちに置いといて。
魔界の雰囲気醸し出すおどおどしい渦巻きとともにスクリーンに映写される神様の「言葉」
スクリーン上方を横スクロールで流れていく文字を目で追っていると、アザゼルの演技が目に入らず、ちょっと戸惑ってしまいました。
これ別撮りで誰かの声じゃダメなのかな〜って思ったけど、「声」がないのがいかにも神様ぽいといえばぽいので良し悪しかなぁ。
あと、一幕通してかなり映像技術を使っているんですが、この舞台に関して言えば作中の内容にその映像を使う理由付けがされているのでそこの所はあまり気になりませんでした。二幕は反対に大道具チェンジでお芝居形式って感じなのもあるかな。
気になったところは暗転が多い点なんだけど、ショートコント形式なのでこれは仕方ないかな〜と。暗転無しで繋げてるところもあったかな。
さて。アザゼルのお次はガブリエル登場。
紫吹さんが登場するやいなや一斉に拍手がわき起こりました。
元ヅカさんが出演されている舞台は何度か観てるけど、登場時にこれだけの拍手がおこったのは初めてだったかも。拍手ストップの時間も取られていたのかな。
丁度良い間合いで神様とガブリエルの掛け合いが入ったのでやっぱヅカの人すごいな〜って感心した。
純白アシメのミニスカートからすらりと伸びる美脚。何より第一声で私の紫吹さんに対するバラエティ女優のイメージはふっとびました。
失礼な話ですが、結構イタい人・・・?って思ってたんですよね。イタくはないにしても、なんというか、根深い天然だなと。
しかしそんなイメージは今回の舞台で返上です。すごい、すごいよ・・・!やっぱタカラヅカって凄い!
水さんの鼻にかかった年下ボーイな喋り方もかなりきましたが、私は楽日の紫吹さん投げキッスに心がざわついて大きく動揺いたしました。
ダメだ!もう一線退いてる方の男役に今さら引っ張られても過去には戻れないぞ!(笑)って必死に自分を踏みとどまらせたわ。こわいこわい。
ガブリエルは世間知らずのお嬢様で天然でぽわんとしてるんだけど、悪魔に対しては毅然として結構強気なんですよね。
あと我が強くて負けず嫌いなところが垣間見えて、あー天使ってこんな感じこんな感じと頷いてしまいました。
そんなガブリエルと対照的なのが悪魔の夢魔
奔放で子供っぽいところが憎めなくて悪さをしてるって感じがしないんだな〜。こちらはこちらでうん、小悪魔って感じ。
アザゼル夢魔より貫録があって悪魔のどろっとした感じがあったけど、コメディだけに人間味や憎めなさがありました。っていうか、玉野先生自分のキャラ二枚目に書きすぎって思った(笑)

OPは明るくてテンションあがる爽やか〜な曲!
大きな額縁を3枚、鏡に見立てたりそこをくぐり抜けたりして使っていました。
出てきてすぐ龍ちゃんに目が吊られるのはお約束だけど、今回の髪型が今までにない感じで好きだ〜。
ツーブロックをポンパにして後をポニーテールみたいにセットしてるんだけど、楽ではヘア剤でしゅばっと立ててた。立たせすぎじゃない?って見た時笑っちゃったけど、気合いの現れだったのかな〜。
龍ちゃんはあまりアドリブ好きじゃない(苦手?)ぽいので舞台中にぶっこんではこないけど、こういう所やパフォーマンスでちょいちょい遊びがあるのが楽しい。
女の子のお色気仕掛けにめろめろになる所も三者三様で、龍ちゃんの「でへ」って顔がかわいくていいんだ〜。
まず龍ちゃんしか見てないので他の役者さんのリアクションちゃんとわかってないんだけど、二枚目やかわいいのを崩さない中で龍ちゃんの表情は三枚目寄りなんだけどそこが良いって思っちゃう。

華やかなOPの後はそのままバックが遊園地に変わって楽しげな雰囲気に。
さっきも書いたけどこの舞台、一幕は本当に映像がふんだんに使われています。というのも、実はここは恋愛矯正回復セミナー(?)の授業の一環で、お芝居の中で恋愛を学ぼうとしているからです。
遊園地も夜のクラブも街並みも、ぜーんぶ作り物の映像なんだけど、夢魔とガブリエルが騙されて出てきてしまうくらい精巧という態なわけです。
それが明かされるのは一幕終わりなんだけど、ちょっと映像使い過ぎじゃない?と訝っていたけど、ハニーとガブリエル、夢魔のやりとりで成る程と納得が出来ました。
さて。一組目のカップルは遊園地で恋のさや当て始めちゃうドリカム幼なじみトリオです。
ジェントル演じる気障なゴウくんと、ヒート演じる真面目なヒロミくん。そして紅一点のヒロミちゃんです。
今日こそどっちかに決めてよって迫る男子二人に決められないわぁと可愛く悩む浩美ちゃん。
ジェントルの原田さんの言い回しがすっごくおかしくて、促音をわざわざ発音するのがぬらぁってしてて気障なんだけどなりきれてなくてまあ三枚目。アンジョでマリウスだった人とは思えない・・・引き出し多すぎです!(笑)
ヒロミちゃんのぶりぶり口調もあって、普通に喋ってるヒート西島さんがすっごい普通の人に見えたり、色んな場面を演じるだけにかなりピンポイントでキャラが強調されてて至る所で笑い所が満載でした。
男子二人が張り合って彼女とデートしただのキスしただのと歌う中、どんどん「あれ?」って事が発覚していく様もじわじわきてずっとニヤニヤしっぱなしでした。
ジェントルが「君とデートしたねあれは夏の花火大会」と歌えばヒートは「僕も君とデートしたねあれは夏のお祭だった」って、ほぼ同時期ですやん!
そんでキスしたのもその花火大会で夏のお祭ときたら・・・。
どういうこと?って振り向く男子二人にヒロミちゃんは悪びれずどっちも好きなんだもんと。
それを後でどうなっちゃうの?って野次馬してる龍ちゃん達他のメンバーのリアクションもよかった。
煩すぎず、引っ込みすぎずと言うのかな?こういう時の龍ちゃんのお芝居、アクションが本当に好きです。動きが少ない分表情ですっごい演技してるの。
コメディならなおさら濃い顔になるから、うふふ〜ってついつい見てしまう。中でも一番好きなのは「あちゃぁ〜」って顔です。もうすっごい好き!
どちらかと付きあうと変な名前になっちゃうそんなのイヤイヤダメダメと駄々をこね始めるヒロミちゃん。
そこに颯爽と現れたのはクールです。ヒロミちゃんの肩を抱き、名前を変えても薔薇は薔薇さ〜とヒロミちゃんを口説きます。
呆気にとられるヒロミちゃんと他メンバー。
朗々と歌い上げ、最後に名刺を渡して去って行くクールに全員「誰?」と首を傾げて落ちるわけです。

二つ目に行く前に玉野センセのタップショー
次に繋げるためにDJの紛争です。ドレッドのカツラが盛りすぎでしたが、ギンギラシルバーのスーツで披露されるタップはやっぱりさすがでした。
オケとのセッションはアドリブではなかったと思うんだけど、装置の下に設えられたバンドブースと目配せで代わる代わるタップ踏む所が好きでした。

引っ込み思案で臆病な女の子がメインのこの回は、るいるいがその子の彼氏(仮)で龍ちゃん達はるいるいの友達。
いつの時代にもいそうないかにも軽薄な男の子達で、勇気を出して変わりたい、変われるかもって女の子にした仕打ちは許せないものがあるんだけど、あの後彼女が馬場りょ演じる男の子と上手くいくといいな〜って思ってます。
先輩の頼みでメールのやりとりだけで付きあうことになった子との初対面。不細工だったら知らんぷり、かわいい子なら自己紹介とラップ調で男子が歌ってる所に件の女の子登場。
メガネにおさげでいかにもな彼女が自信がないのと歌い出すのをみんなが見守る中、またも現れたクールなんだけど、彼女が振り向くなり、うん、まあ好みじゃなかったんでしょうね。
すぐさま「人違いでした」と断りを入れ、そこからいきなり「オスカル?どこだオスカール!」っていきなりアンドレ入っちゃいました。
これにも会場から笑いが。私もおかしくて全公演笑ってしまった。
新感線でも天海さんゲストだと微妙にちょいちょいつついてくるけど、ここまであからさまなのは良いのか!?と(笑)
玉野先生だから許される・・・のかな?
クールが去った後、店内に入ってくる彼女。
シンジくん居ますかと問いかけられるやるいるいが「いませーん!」と叫んでダッシュで逃走。その後を龍ちゃんと広瀬くんが笑いながら追いかけ、馬場りょ(良い人)だけが残るんだけど、友人の非礼を詫びる彼に「いいんです、慣れてますから」と彼女。
わーん、いいわけないだろ!ぶっとばしてやれ!って思ってたら今度はリリー登場。
彼女の心の美しさを朗々と歌い上げ、最後に彼女の胸に挿してた薔薇をむんずっと掴みぺっと床にたたきつけるのがおかしかった。ここもやっぱり何度見ても笑った。
貴方に相応しいのは百合ですって自分の髪に付けてた百合を渡して去って行くガブリエル。
ガブリエルは清楚系意識してるんだけど時々すごい行動に出るのが面白かったです。多分ぜんぜん清楚じゃないんだと思う(笑)
そんで「だから、誰?」で暗転となるのでした。
そう言えばここで、ケンケンしてる若者とは別にスーツ姿でクラブのお客風の三人(木村さん原田さん野島さん)が途中でメモを取ってたんですよね〜
アレは採点してたのか、生徒達の行動を記録してたのか・・・これもやっぱり伏線だったんだろうな。

順番が怪しくなってきたけどいきます!
ソファに並んで座ってるジェントルとヒート。
そこに飛び込んでくるドリーム!ドリちゃん!黒のゴスロリ?ボンテージ?風衣装がかっわいい水さんめっちゃほっそい!びっくりするぐらいほっそい!どこに内臓はいってんの???って疑うくらいほっそい。しかし胸もない←
二人は何でここにやばいやばいと騒ぐもののドリちゃんのペースに持ってかれてまた騒いでの繰り返し。
お弁当作ってきたの!ってはしゃぐドリちゃんに三人で「おっべんとおっべんとたっのしっいなっ」って歌うところはおかしくも可愛かったです。
でも必死で我に返り、ここは拙いから!人来ちゃうから!と何とか彼女を帰らせようとすると、とうとう泣き出して、さらにタイミングの悪いことにハニーが来ちゃいました。
ハニーはセミナーの学長兼講師なんだけどその実体は・・・?まだ明かされない〜なんて、この時点でハニー=天使ハニエルだろうなとアタリはつくんですが、ハニエルとガブリエルが共闘しているようにもみえなくてここはまだ疑問が残ってるんだけどそれはまあ置いといて。
泣きわめくドリちゃんをソファの後に隠して何とか誤魔化そうとする二人。
だけど誤魔化されませんよね〜。
ジェントルはうまく泣きマネで逃げたけど、置いていかれたヒートはハニーに詰め寄られます。
この時の歌が男の嘘なんて分かり易い!ばかじゃないの!って歌詞なんだけど、その歌詞通りにリアクション起こしちゃうヒートのうろたえっぷりが面白くてにやにや。
一部覚えてるだけだと「ごまかしてるのミエミエ 男の嘘はすぐわかる 汗をかくもじもじする頬を触る鼻を擦る」ってな感じです。
目を逸らす視線泳ぐ落ち着かないなんてのもあって、わー世の男性大変だ〜とその辺もおかしかったです。
みんながみんなそうじゃないにしろ、世間一般で言われている行動をこんな風に歌って見せられると一層滑稽でおかしなもんですね。
因みに私は嘘をつく時は相手の目をまっすぐ見つめます←
まーそれでもばれる時はばれるんですが。
そんな感じで追い詰められたヒート。ドリちゃんも見つかっちゃって散々なのでした。
今思うと、ここでヒートとハニーチョイスなのもラストへのつなぎなのかな〜と。
玉野先生伏線張りすぎです・・・考えすぎかもだけど。

さて。ここまで、私はふっつうにオムニバス形式を信じていました。
うん?と思ったのはこの雪山遭難の回。
雪山で遭難している男女が最後の缶詰と愛してるの愛してないのの争いになった時、山積みの缶詰が乗ったソリを引き真っ赤なケープ姿のガブリエルが現れるんですが、もう、登場だけで笑いが起きてた(笑)
千秋楽では何故か懐かしのゲッツ!のフリで捌けていった紫吹さんに会場は爆笑でした。
それまでは恋愛劇を繰り広げていた男女が「誰?」で落ちて暗転。次のカップルへって感じだったんですが、ここでいきなり衣装を脱ぎ始め、着替えと雑談からのダンシン&シンギンでお掃除タ〜イム☆です。
雪山にはいなかった龍ちゃんや他のキャストさんも出てきて、モップやブラシを持ってダンス!ソング!そして掃除!です。
小道具の多さもさることながら、結構各場面でたっくさん踊って歌ってセリフもあるのでC7以上に大変そう!
そして若い男女が大人数でキャッキャしてるところに今度は夢魔扮するドリームのドリちゃん登場です。
龍ちゃんやるいるい達男の子を誘惑して、女の子には目もくれないドリちゃん。しまいにはピュアにむかって「ブス」と暴言吐き捨てます。
男女に対する態度が明確すぎて、いっそ潔いけど実際居たら女の子からは嫌われそうです。実際ピュアも最初は愛想良くしてたのに一気にぷっちーんとキレてしまいました。
ドリちゃんは男の子にコナかけるだけかけて満足したのか、帰るぅ〜出口わかんなぁ〜いと龍ちゃんるいるいに空中自転車してもらって退場。
ぷりぷり怒ってるピュアと他の子達も退場して、そのまま暗転。となるわけですが、一回目は私ここをかなり流して観てたんだよね〜。
暗転が多いからこういう演出にしたのかなって思ってたけど、セミナーのお芝居とそれを解かれて個人に戻ったノーティス達の場面だったわけだ。
二回目観てなるほどこれは伏線か〜と気づき。そして思い返せばさらにこの前のシーンでも一度立ち去った筈のキャストが舞台上に戻ってきて夢魔やガブリエルがカップルに絡む様をなんだなんだと観ているわけです。
何で出てきてるんだろ?なんて思ってたけど、オチが分かればなるほどな〜と。

お次はバケモノ屋敷もとい、べら子とポテチの部屋です(違)
ゲイバー設定なんですが、玉野先生のきたない女装初めて見た←
いや、1回目なんて玉野先生って気付いてなかったんですけど、あれ?玉野先生であってるよね?野島さんじゃないよね??
とりあえず、ピンクのふりふりミニスカヒートことベラ子と紫チャイナのブラックがオカマの悲哀を歌います。
あ、あえてオカマという言葉を使いますがそういう差別は一切ございませんむしろ真っ直ぐ自分を見つめている人を尊敬する。(余談)
当然笑い所なのでメイクも仕草もどぎついんですが、何がキツイって前方席だとずっとベラ子のパンツ見ないといけないって事ですよ!
普通にしててもトライアングルゾーンがちらちら見えるのに、前列だと煽りでもうベラ子のパンツしか記憶にないよ!(泣)
きっと何か入れてらっしゃると思うんですが、もふもふごわごわしたベラ子の股間が目に脳に焼き付いてます。
オカマの悲哀を歌いつつ客席を弄りたおした二人の店におそらく興味半分怖いもの見たさであろう馬場りょとるいるいがやってきます。
ちーっすと入ってくるなり二人を見て固まる馬場りょ。
もうお前今すぐ帰った方が身のためだぞと言ってやりたいところですが私の声は彼には届きません。
「おしゃべりべらべらベラ子でぇす」と自己紹介と挨拶がてら持ってたセンスでぺろんと股間を撫でられた時の馬場りょの腰の引き具合がおっかしかったです。るいるいは割と普通だった。肝の据わった子だった。
客席に案内、というか蹴り入れられて座らされた二人をそのままベラ子とママが接客するかと思いきや、ママの店内アナウンス「ラブちゃぁんポテチちゃぁん、オスが来たわよ(低い声)」に奥からラブちゃん(広瀬くん)ポテチちゃん(龍ちゃん)がやってきます。
あ、この前に客席に二人を投げ入れたベラ子が男に戻って「やだベラ子、オスが出ちゃった」とかセリフが入るんですが、楽日は「今日までありがとうございました。ベラ子、明日からは男に戻ります!」と山口百恵風味の挨拶をしていました。
さて、るいるい馬場りょとラブちゃんポテチちゃんです。
ラブちゃんはまー広瀬くんが元々線細い系だしガールズコレクションとか出てきそうな花冠にフェミニンワンピ着てるんだからかわいく見えるよねって言うか龍ちゃんだってかわいく作ればかわいいんですーーーっと私は言いたい!
けど、ポテチちゃんだってかわいかったんですよ?
サイケ柄のワンピにオレンジのボブカットにワッペンみたいな髪飾り付けてさ!
そんなお笑い要因丸出しの女装をしてもなおかわいいのが小野田龍之介ですよ!天使!
しかしどんなに私から見て可愛くても馬場りょの心はラブちゃんに傾いてしまったようです。
ソファにるいるいラブちゃん馬場りょポテチの順で座り、見つめ合う真ん中二人。龍ちゃんとるいるいもそれぞれラブちゃんと馬場りょの後頭部を見つめますがまるっきり相手にしてもらえません。
そして恋に落ちた二人とまったく相手にされずどうすればいいのか分からない二人が代わる代わる歌う内容がまた面白い。
二人が心地良いな〜と歌い二人が居心地悪いなぁ〜と歌って締めてましたが、こういうの大好きー!(笑)
ぽてちは馬場りょのことちょっと気になってたんでしょうか、楽はフガフガ後頭部の臭いを嗅いでた?のかな?すっごい近くて笑った。
そんでるいるいはいつだってクールだ・・・!
しかし彼女は彼なので巡り会った恋心に躊躇する二人。そこにリリー登場です。
大丈夫貴方は間違ってないと躊躇う二人に優しく語りかけるんですが、宗教上セーフなんですかガブリエル様!?そこんとこオッケーなんですかガブリエル様!?と心中何度叫んだことか・・・日本初演ならではだよね(笑)

お次は今時いるんだろうかこんなカップルって野島さんと綿引さんのブランド女と貢くんです。
買い物したのであろう紙袋を手に彼女に今日こそプロポーズさせてよと迫るヒート。
それに対して記念日全部言えたらねっと返す彼女。
あー・・・いるいる。私ぜんっぜんダメだけど記念日大好きな人いるね。
プロポーズをかけて息巻くヒート。
まず付きあった日から初めてのデート、初めて喧嘩をした日なんてのはまあ可愛いしザラにありますよ。
その内様子が変わってきて「給料明細を見せろって言われた日」「**にお別れを言われた日」「仕事おわってから夜のバイトを始めた日」ときて「再びつきあい始めた日」「デートの最中にグッチをかわされた日」「エルメスの一番高いバッグを買わされた日」「シャネルのスーツを買わされた日」ときたら・・・
おい!その女やめとけ!!!!(笑)ってなりますよね〜
ぽんぽんとリズム良く彼女が繰り出す日付に答えるヒートの必死さが可愛いんですが、内容は毒が強くてその対比がおかしいっていう・・・
何かこの舞台毒おおいなぁ「ラブ・チェイス」なのにって今思った。
そして最後の記念日「5月3日は?」「ぼくが**にプロポーズする日!」ってなった所で上手から「てっぺいちゅあぁああああん」とドリちゃんが現れ、てっぺいちゃんにエルボーアタックしてそのまま「そんなおんなだめっやめなさいっだめっ」って叫びながら引きずって行ってオチ!っていう力尽くやな!なオチでした。

さて一幕ラストです。
写し出される街並みがNYの裏町のように変化するんだけど、車窓の景色のように横にスクロールして明るい場所から次第にくらい路地にって演出は初めてで「おお」となったわ。
ちょっと酔いそうになったけど二回目からは「あまりよく見ない」を発動して乗り切りました。映画でもアクションシーンで酔ってしまう方です(最近の流行りなのか焦点ぼかしてスピード感出すの苦手!酔っちゃう!)
路地裏に現れたのは四人のギャング。
玉野センセがボスで原田さん龍ちゃんるいるいです。
ブラックスーツをビシッと着こなしジャジーな曲にのせたダンスがかっこいい〜〜〜!!!
クズと呼ばれるのは褒め言葉さなんてちょっとVシネ系ですが、この作品の雰囲気にはぴったりです。
龍ちゃんが前からボルサリーノをぽすんと被った一連の動きが何というかセクシーで、でもまだ若いから色香とまではいかないくて、でも、こう、そわっとくる仕草でした。
長期公演の最後二日間で披露も溜まってただでさえここまで歌とダンスひっきりなしなのにまだ足取り軽く踊ってるのがすごいなって感動しつつ、最終日はそんな余計な雑念抜きで見惚れてました。
残念なのは前の席の人が大関クラスの男性で、折角龍ちゃんサイドで見れたのに良いところが全部隠れちゃってたことだよ〜!こればっかりは運としか言いようがないので仕方ありませんが、うぅ、悔しい。
ギャングダンスが終わった所で広瀬くん登場。
どうやらお金を返しに来たようですが、利子が高くて全く足りません。
五万ドルと言われて逆らうも、四人にぼっこぼこにされてしまいます。
そこに現れたのは野島さん木村さん綿引さん。どうやら広瀬くんのパパママ姉さんらしいのですが、こんな所に家族総出でやってきたらギャングの考える事は一つです。
金を作るいい方法は女だ〜女を売れば五万ドルなんてあっという間だ〜と木村さん綿引さんを攫おうとするボス。
しかしまたそこに馬場りょ登場!多分姉さんの婚約者か何か?
彼は五万ドルをギャングに叩きつけますが、突然利子が増えて今度は七万ドルに!お約束ですね。
そして再び売られそうになる女性二人。
そこに颯爽と現れたのはクール。
十万ドルの小切手をギャングに渡し、彼女たちの肩を抱いて今日からはオレの女だと宣言するクールの前に続いてスタイルが現れます。
邪魔をするな。魔界へ帰れ。と争いを始めるクールとスタイル。
歌い踊りながら争う二人にとうとう耐えられなくなったハニーがストップをかけ、そこからこれは恋愛回復セミナーの授業でミュージカル仕立てのお芝居であることが明かされます。
人間界の流行りだと勘違いして歌ってたクールとスタイルに何故ミュージカルなんだと問われ、「ミュージカルって悲しいのに突然歌い出したり、待ちの人達が踊り出したりするでしょ?感情表現の練習にはちょうどいいんです!」てなことを言い切る帝劇俳優と四季女優。
そんな事言っちゃっていいの!?って事をちょっと悪い顔で言ってのける三人に、更にサムズアップでこたえるのが元ヅカさんですよ・
シニカルで面白いんだけど、何かお尻がムズムズする、後ろめたさと連結した面白さでした(笑)

少し話を逸らしますが、ここのシーンで歌って踊っていたクールとスタイルをヒートが真似る所があったんですが、楽日はジャケットの裾をバサァってやったり客席に流し目したりするヒートにスタイルとクールが「なんやそれぇ?」と絡んでだめ出しをし、「そんなんちゃうやろ、こうや」と客席に投げキッス&流し目をおくる場面がありました。
ええ、客席から悲鳴と歓声が上がりましたとも。
私、サイドシートで正面から受けたわけでもないのに心がざわついてめっちゃびびった(笑)
そうでなくても二回目の観劇からやばい、じわじわくる、男役のシーンじわじわくるってそわそわしてたのに、まんまと落ちそうになったわ!
紫吹さんなんてバラエティ番組の惚けたキャラと180度違っててタカラヅカパねぇ!これが(元)ヅカ男役の貫録!と戦きましたとも。
今までは元ヅカさん見ても女役ばっかだったもんなぁ・・・あーびっくりした。
と、余談でした。

今までのが全てお芝居だったと知り驚く夢魔とガブリエル。
けれど夢魔は校長兼講師のハニーにいたくご執心のようで、それなら君の側にいたいから僕もこの会に入会すると言いだします。
そうなるとガブリエルも黙って見過ごせないのでなら僕も、ついでに僕の妹も。それならドリームもと夢魔が言い出して結局男女混合夢魔とガブリエルが入会することに。
ここでしれっとアザゼルがガブリエルに正体を明かしたりしてましたが、今まで気付いてなかったのかとちょっと驚いた。
新にメンバーを加え、明日の大きな舞台が始まりますと期待を高める悪魔と天使と人間達。
ロミオとジュリエットのタイトルを口にして一幕の幕が降りました。


カンが良い人は雪山遭難あたりかもしかしたら最初から一つ一つのお話が繋がってると分かったのかもしれないけど、私は疑問を持ちながらも種明かしされるまで分かりませんでした。
やたらコテコテの歌い方をするな〜とか木村さんのオペラのような歌い方が気になったりしてたけど、お芝居だったんですよと明かされて成る程と。
全部が繋がって最後に纏まった時は結構スッキリしました。
玉野先生は一本の長い話より短いものの方が見やすいかも。
けれどまだハニーがハニエルだと明かされていなかったり、クールとハニーはどうなるのかなとか他の聖人さん達もどう絡んでくるのかなとか色々期待を残しつつ二幕です。
二幕も一幕同様、劇中劇の中で話が進んでいくけどそれぞれの役と中の人というような形なのでこちらもまた新鮮でした。
パンフの若手対談でも語られてましたが、その役の心の声のようなものもあってこういうのを一本通して見られたら楽しいかも。
とりあえず。思いのほか長くなったので分けます!