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観劇、LIVE覚書

ちぬの誓い   20140405

STミュージカルファンデーション ちぬの誓い

兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
2014.04.05〜06

演出・振付 謝珠栄
脚本 木内宏昌
音楽 玉麻尚一

平清盛が描く新都の夢。
それは宋国との交易によって富を得、皇族貴族ではなく武士達の力で、福原の地に都を築こうというものだった。
彼の周りには、壮大な構想に魅せられ胸躍らす、名もなき見習い武士の若者達がいた。
彼らは、新都に絶対不可欠の大輪田泊の完成に挑む。
(パンフレットより)

以下、いつも通りの感想文です。ちょいテンション低め〜
重いのは覚悟していたけれど、お話に入り込めなくてなんだかもったいないことをしてしまった。
どうも話し言葉に節をつけて歌なのか台詞なのかって状態のミュージカルが苦手です。
台詞は台詞、歌は歌で感情の発露をがーっと歌うタイプが好きみたい。
リズムにつられてつるつると言葉が頭の中を上滑りしてしまって内容を拾いきれず、結果、誰の感情も捉えられず添うこともできずに楽しめなかった。
といってもこれは個人的な嗜好の問題で、舞台自体は迫力もあったし照明や舞台装置にはハッとさせられること多々でそういう見所はたくさんあったな〜と。
特に気に入ったのは小波のきらめき。
映像っぽくはなかったので照明表現だと思うんだけど、あんなに素敵な表現が出来るのにどうしてあそこのシーンだけ映像にしてしまったんだろ。
全てを呑み込んで凪いだ海と月。映像よりあのきらめく小波のほうがより叙情的だったと思うんだけどそれもまた個人的嗜好の域かな。
大きく弧を描く舞台装置とその奥にある輪が渦潮になった時は「おお!」と感動しました。ただ渦を映像で見せるんじゃなく、立体物を組み合わせることで潮流がよりリアルに見えてちょっとした恐怖心も感じた。
始まって少し経ってから気付いたんだけど、木を組んだ中に岩も散りばめられていて、せっかく沈めた岩が流されていってるのね〜と。
あと、踊りのシーンは圧巻でした。男性ばかりの舞台は見慣れた感があったけど、優雅さとはかけ離れた荒々しく激しい踊りに太鼓の音。緩やかに舞うシーンもあったけど、舟を漕ぐ、岩を砕く、疲労のたまった体に鞭打ち、命を賭す男たちの猛々しい姿がありました。
舟を漕ぐのとか、あれもう踊りって言うか腹筋やん。これを二週間にわたって〜とか考えると、最年長ならず若い衆もきっついだろうなと。
でもってやっぱり独特の不動丸。
荒ぶる踊りも東山さんにかかると流水のように感じました。流水・・・うーん、海って言ったほうがいいのかな。内容的に。
激しく岩を砕く波のようでもあり、渦を巻く海流のようでもあり。止まることなく形を変えて体現される中に穏やかなものはなく、それが不動丸の宿命なのかな。
二十年後は凪いだ海面のように静かだったけど、内なる葛藤や混濁は計り知れなず、重いものを背負って不動丸は生きていくんだなとすると辛すぎるラストでした。
多くの犠牲を払って自身も光を失って、それでも残せたものがあるから彼らは救われているんでしょうか。
この辺がどうも私にはしっくりこず、それも話しに入り込めない一因なのでした。
男のロマンって女には理解できないものなのかしら?
命がけで何かを築くってすごいことだと思うんです。
それが何百年後の礎になっていて、ずっとずっと続いてくなんて冥利に尽きるだろうなって。表立って名は知られなくても、大きな夢を描けた事で満たされるんだろうなって。
解る部分もあるんだけど、なぁ・・・?
不動丸があの夢を抱く切っ掛けやそこへの想いがもう少し語られていればなーと思うんだけど。と、書いていてそれもなんか違うような気がしてきた。
泊を中心に不動丸、陰陽師、水軍衆、異国人、そして姿の見えない清盛の思惑がぐるんと廻っているのよね。
うーん。。。もやっと。数回観たらもう少し理解できたのかな〜。
でも数回見るのはちと重い!という個人的都合により男のロマンは理解できずなのでした。
そういえば裸足だった事にも最初驚いて、そんなに足音目立たなかったから何か敷いていたのかな。高いところから飛び降りたりもしていたし、体に響くだろうなぁとゾッとしました。
全員、表立っての怪我もなく無事千秋楽を迎えられてなによりでした。

たーとがアフターイベントでまさかの太鼓アンコール時にダンスの振りを変えてきたのにおお!となったのと、相場さんが安定の少年あいばだったのと、りおくんとだいちゃんがむくつけき男衆にばっちはまってたのが意外なような納得のような。
舞台観続けてるとちょいちょいテニミュに出ていた方達を観れて、懐かしく嬉しく誇らしい気持ちになります。
もちろん映像で活躍している方々も然り。
またどこかでお目にかかれるといいな。