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観劇、LIVE覚書

アルゼンチンタンゴショ― ロコへのバラード  20111213

アルゼンチンタンゴショー ロコへのバラード

2011.12.13 サンケイホールBREEZE

構成・演出・訳詞 小林香
音楽監督    小松亮太
振付      マリオ・モラーレス/西島千博/港ゆりか

マリア   彩吹真央
ラロ    西島千博
ミゲル   中河内雅貴
アメリータ 宮菜穂子
ロミーナ  CHIZUKO
ハビエル  HUGO
幻想の男  JORGE
オラシオ  石井一孝

演奏
キンテート・オセイロ
小松亮太


ブエノスアイレスのオラシオ書店は、古い劇場を改装した本屋。
ここでは、半年前から毎週金曜日の晩に大人のための朗読会を開いている。
書店主は、読書狂のオラシオ。朗読するのは、オラシオ書店の店員マリア。
そして朗読会に集まってくるのもまた、冴えない面々ばかりだが・・・
マリアが本を開き、物語を語り出す。
イマヒナシオン(想像)とファンタシア(幻想)が現実と交差し始め、ブエノスアイレスの夜を彩るのは・・・tango!
(パンフレットより抜粋)


タンゴショー?タンゴミュージカル?と見終わったあと混乱していたけど、表題に「タンゴショー」と書かれているからショーなんだろう。
でもミュージカルって言ってもいいくらい、ストーリーがはっきりしていて引き込まれていった。
マリアが本を読むことで、朗読会に集まってくるメンバーの問題が解決されていく。
仲違いをしていた夫婦や、先に進めないでいる恋人達。
それぞれに「えっ?」と思うような本を選ぶけれど、それが上手に彼らの中に染み渡って、最後には幸せに寄り添うカップルになっているのが素敵だった。
特に「小さな喫茶店」の老夫婦は理想の将来像なんだけれど、そこにたどり着くまでの波乱に私は耐えられそうにない。と、恋人もいないのにいらぬ心配をして疲れてしまった。
マリアに上手く気持ちを伝えられない・・・というより、伝える必要なんてない、だってマリアと僕はイマヒナシオンとファンタシアを共有して繋がっているんだから!と盛大に一人で勘違いして盛り上がっているオラシオはある意味私の姿で、ただ笑うしかない。
オタクってそうだよね。成長しない、自分の頭の中だけで完結してるから、周りがどうだろうと関係ない。思い込みで、恋愛成就だってできる。
ただ、私とオラシオのえらいところ(?)はストーカーになったり、相手に別の存在ができても嫉妬に狂って刃傷沙汰にならないってこと。
ああ・・・ですよね〜。で、諦めきれるんだ。たぶん。


何か流行ってるんですか、タンゴ。と、問いかけたいほどでもないけど続けて観ることになったタンゴ公演。(一時、どこもかしこも八犬伝て時期があってアレは本当にどうしたって思った)
TANGO Dokidokiの方が私がタンゴにもっているイメージに近かったけど、これもこれもこれもタンゴなのか!と驚かされたのはロコへのバラードでした。
こんなに様々な楽曲があるとは思わなかった。多分、タンゴと知らずに聴いているものもあるんだろうな。
小さな喫茶店とチェ・タンゴ・チェが特に好き。
明るくて、かわいらしくて、うきうきするようなそんな曲がタンゴにあるなんて、知ることができてよかった。

ダンスでは世界チャンピオンのCHIZUKOさんの空気感たらなかった。
色気=タンゴって思っていたところもあって、あのスリットの深いドレスから伸びてしなる足のすばらしさよ・・・
ガリガリじゃだめなの。肉感がほしい。けどぽっちゃりとは違う。
グラマラスって言葉がぴったりの、女の体。
その彼女が表現する、嫉妬や激情、切なさをお腹いっぱい味わった。とにかく、素晴らしかった。
マサはね。マサはいつでも等身大で、少し背伸びしている。そんな所がたまらなく魅力的で、目が離せない。
なのにBBFは正直DSの焼き直しのような役所で「う〜ん」ってなっちゃったんだ(マサってまだそのポジションなの?っていう、若干役所として見飽きちゃった感があった)
タンゴは初挑戦というのもあってなのか、「またか」って感じはなくて、むしろ「そうそうこれ、これがマサ!」っていう観ている喜びを再び感じる事が出来て嬉しかった。


二作品続けてタンゴを観たせいか、今モーレツにタンゴの世界をもっと知りたくなっています。
せっかく触れた新しい世界だから、もう少しだけ踏み込んでみようかな。とりあえず、お気に入りの楽曲を探そうと思います。
ありがたいことにロコのパンフにオススメCDなどが記載されているので、まずはそこから・・・かな。