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観劇、LIVE覚書

マリア・マグダレーナ来日公演〜マグダラなマリア  20100806

マリア・マグダレーナ来日公演
マグダラなマリア〜マリアさんの夢は夜とかに開く!
マリアさんの夢は夜とかに開く!魔愚堕裸屋ついに開店!〜


8/6〜8 シアター・ドラマシティ
原作・脚本・演出・音楽・宣伝写真:湯澤幸一郎
主催:マーベラスエンターテイメントネルケプランニング、天然ロボット



ずっとずっと観たかったマリアさんに漸く行く事ができました!
しかも運良く小野田さんが出ている公演!!
大阪にいると初日を観ることも滅多にないのでワクワクしつつ、三日間楽しんできました。
何日のどの回に何があったとか詳しく覚えていないので、とりあえず初日の感動をベースに感想などつらつらっと書いてゆきます。
私が観たのは8/6初日、8/7昼、8/8楽の三公演です。




男性が女性を演じるってどんな感じなのか中々想像つかなかったんですが皆さん立派に「女性」でびっくりしました。
フライヤーや公式を見る限りは皆さんお美しいんですが、声だとか仕草で男性的なものが出てくるんじゃないかと思ってたけど、意外と地声(?)に近い感じがしたけどさほど違和感なかったなぁ。
声変わりしてる年代のキャストさんなのに、あれは不思議です。もちろんセシルやローズマリーは可愛く、アンナやエスメラルダは大人の女性っぽく声を落としてはいましたが、裏声ってわけでもなくあんな声が男性に出せるもんなんだな〜。
もちろんマリアさんとグレイスは堂に入ったもので、例え野太い声でもちゃんと女性でした。しかもとびきり極上の。
マリアさんに関して言えば、冒頭のショータイムでこんなに声量のある人だったんだとびっくり。劇中の怒りのプリンの歌でまたびっくりでした。
ディアボの湯澤タイムをDVDで見せてもらった事があるので、相当面白いしお芝居の上手な方だとは思っていたけど、ここまで圧倒的に他と差が付いていると「マリア様々やんなぁ」と平伏せざるを得ない感じです。
だからといって他のキャストさんが見劣りするかと言うとそうでもなく、ちゃんとマリアさんに食いついていっててテニミュとは違った感じで舞台上で伸びてるのが感じられました。
あと酒井さんと小林さんのお二人が脇をピリッと引き締めていて、グダグダの笑いの中にも芯があって面白かったです。
特に好きなのはコバーケン(小林さん)とオットー・クラウス(酒井さん)、クリッパラ(藤原さん)の三人のシーンです。
売り飛ばした娘に金をせびりにきたオットーと、それを追い返そうとするコバーケンがとっくみあいになった時、仲裁しようとしつつコバーケンの鉄拳やらキックやら体当たりを自らうけて「ヒャッホゥ」「フッフーゥ」と悦びの雄叫びをあげるクリッパラがおかしくておかしくて、めっちゃくちゃ笑いました。
ドエムキャラ設定のクリッパラが至るところで蹴られたり殴られたり自らそこに飛び込んで痛手を受けては悦びに叫ぶ様が今でも頭に焼き付いてます。良いドエムでした。あんな奴隷私も一人欲しいよ。
終いにはアンナに拳銃で撃たれても嬌声あげてましたから・・・。死の淵をさまよってもなお快楽に酔いしれられるドエム根性。できればアンナとクリッパラのその後とか知りたいですね。きっと立派な女王様に仕立て上げられているのでしょう。クリッパラ最高の伴侶見つけたな。


伴侶と言えば、今回セシル(佐藤さん)の過去とアポロ(岡田さん)との未来が描かれていて、観客席では泣いてる方もいました。
2はDVDで観たんですが、この二人の行く末も気になるな〜と思っていたので、今回ハッピーエンドが打たれてよかったです。
特にいいなと思ったのは、セシルがアポロに訥々と自分の気持ちを語る時アポロの方を見ないんですね。ずっと、俯いたまま心と頭の中を整理するように話していって、最後に「アポロも、私のコト好きだと嬉しい」とその一言だけをアポロの顔を見て言うんです。
テクニックですね。
じゃなくって!こう、セシルとしてはアポロが伏せていた自分の過去(ナチ時代の履歴書)を偶然見てしまって、アポロが自分に他の女の人にするみたいな事をしない理由と自分の体と過去についてすっごく悩んでたんだろうなとその様子から想像するとやっぱりじんときました。
それで今回自ら客を取るという暴挙に出たわけですが、結果が良い方向に転んで本当によかった。
それにしたってアポロはそんな大事な書類をなんで百科事典なんかに挟んでおいたのか・・・。うかつにも程があると思うんですけどね。「読書家にはかなわないな」とか言ってる場合じゃないと思うんですけどね。まぁ、終わりよければ全て良しで良かったです。
二人の歌が切なくて、でもその分抱き合ったときのあの「ほっ」とした感じは忘れられません。べただけど、こういう展開が好きだな。


私はこの二人のハッピーエンドにほっとしてましたが、ほっとしてない人が舞台上にいました。
アンナさん(太田さん)です。実はアポロの事が好きらしい彼女、一夜の関係がよっぽど良かったのかかなりアポロにご執心でしたね。
セシルと寝たのかと迫って、それを否定すると嬉しそうに「あんな汚れた子供と寝たら君が汚れてしまう」とすっごく色っぽい雰囲気で言い出したときは何が起こるのかと思いましたが、まさか脱ぐとは思いませんでした。
そして脱いでもなお女性なのにびっくり!!ナチの軍服の下はボンテージ!
「斬新な組み合わせですね」ってたじたじするアポロに、歌いつつくねくね踊りつつ迫る姿はまさに女豹でした。
照明の加減もあるだろうけど、肌がしっろいの。そして腕がなっがいの。肩だってテニミュで見たときはちゃんと男の子だったのに、アンナさんのときはどう見たって女性で、友達と見終わった後「あれどうなってんの?」のばっかりでした。
フルカップのビスチェとはいえ胸も違和感なかったし、くびれは自前らしいし・・・女としていかに自分がサボってるか見せつけられて今後やっていく自信がなくなりました。なくなりました・・・
センターと前列上手で見ることが出来たので、女豹ダンスを正面からとらえることができて至福だった。
あの腰の振り方とか・・・。何か湯澤さんにダメだしくらって泣いて帰る日もあったとか某ブログで読んだんですが、泣いて帰った結果がこれならいいんじゃないかな。いや、多分腰のフリとかはそんな関係ないと思うけど。
あとアンナのキャラがバリバリ軍人気質のお堅い女かと思いきや天然はいってたりちょっと可愛いところが見え隠れしてそれもよかったです。エスメラルダにそれじゃダメよと言われてむっとしてる所とか可愛かったな〜。


エスメラルダ。そうそうエスメラルダ!
私今回何が楽しみってエスメラルダ(小野田さん)を観るのがもう楽しみで楽しみでドキドキソワソワしてましたからね。漸く観られて満足です。期待の上をいってた・・・。すごかった。
初登場時にくるっくる回って出てきた所も可愛かったし、自分の美貌(笑)を熟知して男を手玉に取ってるのがすごく感じられた。
「どなたか殿方のお力が必要ですの」でコバーケンすっ飛んでったからね。すっ飛んでったコバーケンとその後もなんか仲良くしてるし、クリッパラともきゃっきゃしてるしでエスメラルダ満載でした。
演技も他の方同様ほんとに女らしくて、腕から指先にかけての動きがもう好きで好きでたまりません。指が長くてきれいな手をしているなーと前から思ってたんですが、動きのひとつひとつがピタリと決まってて、どんな時でも指先まで神経通ってる感じでした。
出来る事なら全エスメラルダをあらゆる角度から写真に撮りたかった・・・。5バイトくらいしかない脳みそだと指先とクルクル回る時に翻るスカートから覗くあんよを記憶するので精一杯です。
柳生の時にもよくやってた片方の手を顎(もしくは口元)にあてて、その手の肘にもう片方の手を添えるってポーズを今回もよくやってましたが、メイクや衣装、もちろん役柄もあるだろうけど女性にしか見えなくて、しかも色気があって悔しかったです。もっくん同様、女として負けました。もう性別とか関係ないんだわ。
歌もソロをガッツリ聴けて、しかもダンス、クリッパラーと組んですっごいのを見せていただいたのでもうエスメラルダ小野田さんに関しては大満足以上のものを受け取りました。
ずっと稽古場写真で一人だけスカート穿いてるのを不思議に思ってたけど、いるわ。そりゃいるわ。ロングスカート(しかもかなり重量ありそうなの)で側転したり激しいダンスを踊ったりして、体力的にも相当厳しいんじゃないのかな。でもエスメラルダは二回公演でも優雅に舞ってました。かっこよかった。
エスメラルダってキャラクターも面白かった。最初は魔愚堕裸屋の仲間〜って感じでクリッパラやコバーケン、グレイスともきゃっきゃはしゃいでたのに、マリアさんが映画のロケに出かけてグレイスが仕掛けた罠にはまった途端、くるっと態度が変わった所とかドキッとしました。
敵役はアンナだけだと思っていたから、切っ掛けになった絵をグレイスが片付けておいてと去った後、その絵を直して魔愚堕裸屋の中を見回し「異常なし」と呟く所で「えっ?」ってなった。
この「異常なし」。初日と土曜昼は悪役っぽく強めに言っていたのに、大阪楽では柔らかめの口調で演技が変わってましたね。私は後者の方が好きです。全面に悪を押し出してくるより、あれ?って匂わせるくらいがいい。
アンナとエスメラルダは本当に前二回と大阪楽で随分演じ方が変わっているところがあったので東京公演でどうなっているのかが気になります。コバーケンタイムにエスメラルダは出たのかな。ソワソワ
エスメラルダは結局グレイスにパトロンを寝取られて恨みをはらすためアンナと組んで魔愚堕裸屋に潜入。
マリア・マグダレーナの信頼を裏切らせ、グレイスとマリアの仲を引き裂くっていうエスメラルダの野望は彼女が去る時点では達成してたんだけどその後マリアさんの登場で覆されるわけです。
ココで気になったのが、エスメラルダのその後。
アンナは命を絶つところをクリッパラに救われ女王様としての英才教育を施されるって顛末が描かれていましたが、意気揚々「ドロン」したエスメラルダにマリアさんとグレイスの鉄槌がくだらないはずがない。
スペインに帰ったらエスメラルダの家燃えてるんじゃないのとか想像したらおっかしくってそこも観たかったな〜と。まぁ、私の妄想なんですけど・・・。
エスメラルダはセシルやローズマリーより年上で、体もベッドでの技も磨きに磨いた娼婦って割にはきゃっぴきゃぴしたところがあったのが魅力的でした。敵であるはずのグレイスとも初めは普通に話してるのもスゲー女ってこえーって思わせる。
アンナにグレイスの話を持ち出されて仰け反りながら野太い声で「ぐれぇええええいす」って悶えるところも、声野太いのにちゃんと女性で、その後の歌もすっごいかっこいいのにちゃんと女性で、あれ?この子女の子なのってバカなこと考えるくらい女でした。
フラメンコ調の曲がすごく格好良くて歌も格好良くて。早くDVDで見返したいです。
そういえばエンディングのマリアさんの歌の後ろでグレイスとぽかぽか殴り合うみたいな演技をしてたな。でも家は燃やされていると思う。
あと何かというと椅子やテーブルに片足のっけてポージングしていたのが印象的でした。スレンダーな体にフラメンコのドレスが似合ってて、そのポーズを取ると丁度良い具合にスカートが開いてかっこいいんですよね。
そんで踊るときぐるぐる回るからスカートが舞い上がって下でばったばったステップ踏んでる足が見えて非常に眼福でした。変態と言われてもいい、スパッツなんて穿かないで欲しかった。初日にスパッツ見えた時ハートブレイクしてしまった私です。
そういやちゃんとヒールのある靴履いてはった。あの靴であれ踊ったのかと思うとほんと凄い人なんだなぁと。ああ・・・もっかい生であの踊りと歌を感じたい。
きりがないのでエスメラルダ礼賛はこの辺で。
脳内に焼き付けてきたエスメラルダあれやこれやは自分だけで楽しみたいと思います。


あと今回で過去が分かったのがローズマリー
初演を観ていないのでイマイチ役所が「?」だったんですが、十分あほの可愛い子だと言うことはわかりました。あと、今回のを観てから初演を観たらわかりやすいかもしれない。
ダメダメの父親に最後はマリアさんの娼館に売り飛ばされてしまうけど、ここからがこの子の人生は好転するんじゃないかなって希望がもてるのでいいと思うの。
少なくとも路上でマッチ売りの少女なんていう個人事業主的風俗嬢をやっているよりはよっぽどましかと。
ペーターとの掛け合いも幼い恋って感じがかわいくて、この二人はどうなんのかなぁなんて考えたりもしたけど初演にはペーターのペの字もないと聞いたのでちょっとしょんぼりでした。
あとみんな女性らしくてびっくりしたって書いたけど、この子だけ若干強残念な感じが面白かった。
ごついんですね、きっと。素が。いや、小野田さんだってもっくんだってちゃんとがっちりした男の子だし、ましてや湯澤さんや津田さんに至っては中味はごっついおっさんなわけですがちゃんと女性に見えるんですよね。丸みがあったり、動きにシナがあったり(そういえば小野田さんのシナはパなかったです)してそれでちゃんと女性に見える。
けれど、けれど・・・ローズマリーはなんていくか四角い?そしてシナもなければ色気もない。しかし愛嬌はあるんだ愛嬌は。女は愛嬌って言うからそれでいいじゃんて思うけど、何か、他の子と違う感じ。
セシル役のサトちゃんと並んでベッドに座ってる所とか「なぜ・・・」と凝視してしまうほど違いました。
だからって可愛くないわけでもおかしいわけでもなく、四角いなってだけです。うん。でもいるっちゃいる、ああいう女子も。レスリング部とかにいけばいる(偏見)
ローズマリーとセシルで歌うシーンは調子っぱずれのローズマリーに引っ張られまいと必死のセシルが見れて面白かった。
女の子同士の秘密のお話、パジャマパーティ。おとぎ話に夢を見る少女とめっちゃリアリズムあふれる少女の会話はちぐはぐで、でも二人とも相当に暗いバックボーンがあると思うと笑うだけでも可愛いだけでもなく受け取るものがありました。その後すぐオットーが金をせびりに来るからよけいにね。
出来れば彼女にもセシルみたいに幸せになってもらいたいです。
ペーターが迎えに来てくれたらいいけど、他の男性が現れてもいいな。すごいへっぽこどっこいな子なのでしっかりした誰かが、それか、父親がちゃんと借金返済して迎えに来てくれるのも有りだと思います。


コバーケンタイム
噂に聞いていたコバーケンタイムです。脱ぐとは聞いてたけど初日からフンドシ落下すると思わなかった。ずっとフンドシ落下しっぱなしでした。
友達と見てて「あれ、そうとう肛門に気合い入れてないと見えるよね」って話をしてたんですが、最前列で観てた方はいらんもんが見えたりしたんでしょうか・・・。いや、前バリしてるだろうけどさぁ、穴は隠しようがないもんよ。(最低)
あとフンドシ一丁で暴れまくるコバーケンと劇場の係員(女性)がずっと冷めた顔で扉前に立っているのが何て言うかいたたまれなくて変なところで笑ってしまったりしました。
あれ劇中じゃなかったらただの変態ですもんね。まあ、小林さんはそんな変態行為を素で行う方ではないと思うんですが、セクハラと見せかけての観客総出での集団逆セクハラと考えると何だかいっそ愉快です。
ちなみに大阪初日はペーター。土昼クリッパラ。夜アポロ、日昼アンナ、夜グレイス&アポロでした。
アポロは出てきて好き勝手して勝手に帰ってったみたいです。
ペーターとクリッパラは普通に動揺してコバーケンに振り回されてましたが、グレイスはやっぱり貫録でコバーケンおしてたな。グレイスショータイムが見れてよかったです。アポロも出てきて二人で歌って勝手に終わって帰ってったっていう・・・ね。
コバーケンに翻弄されるか、コバーケンが翻弄されるかのツーパターンみたいですね。
頑張れコバーケン、負けるなコバーケン!でも出来れば観に行った回でエスメラルダ召還してくれると嬉しかったな!!!


マリアさんは計三回ソロ歌うんですが、どれもそりゃ素晴らしく見応え聞き応えのあるものばかりでした。
冒頭とラストはもちろんだけど、一番お気に入りはプリンに怒り狂う90年代ロックテイストの歌です。
映画監督の無茶ぶりにも難なく応えてシャウトしまくるマリアさんはステキでした。共演者のペーターとほんとに90年代ロックバンドが再現されててXなんとかとか、灰色とか色々頭に浮かんだけど結果残ったのは何故かマリスミゼルでした。歌い方はどちらかというと灰色とか虹だと思うんだけど、マリアさんの見た目がマナ様にオーバーラップして泣きそうだった。湯澤さんなら女物のパンティ身に着けてくれてるって信じてる・・・。(ティナもエスメラルダも追求が甘いねん)
最後はキャスト全員がプリンのかぶり物で出てきて踊り狂うって言う「なんだこれ」な状況でしたが、それすら面白くてゲラゲラ笑ってました。
いや〜、プリンかぶったエスメラルダ可愛かったですよ。




とまあ、こんな所でしめておこうかな。
コメディってネタをひとつひとつ取り上げて説明してもおもしろさは伝わらないから感想書くとき困る。その辺はもう自分の頭の中にしまっておくしかないから書き出しておきたいことだけ書き出しました。うん、感想って大概そんなもん。
五月からこっちコメディばっかり観てる気がするけど、やっぱり笑うのって心にも体にもいいみたい。見終わった後はすっきり軽い気持で劇場を後にできました。
また続編があったら観に行きたいな〜〜