boti-poti

観劇、LIVE覚書

Side・Show 20100410

4/10マチネ公演観てきました。
朝五時起きで・・・。なんで私マチネ取っちゃったんだろうとちょっと後悔したけど眠気も感じず最後まで釘付けでしたよ!


物語は1930年代のアメリカ。
結合性双生児という宿命を背負ったヴァイオレットとデイジー見世物小屋の一員として生活していた。その見世物小屋には世にも不思議な人々がボスの指揮の下、芸をみせて生きている。
このショーをたまたま見たプロデューサーのテリーとミュージシャン志望のバディは双子の姉妹にスタートしての魅力と可能性を感じスカウトする。
名声に憧れるデイジーはまたとないチャンスと喜ぶが、幸福な家庭をもつことに憧れているヴァイオレットには躊躇が・・・。
見世物小屋の面々も賛否両論。このまま見世物小屋に留まるのが幸せなのか?未知の世界に挑戦するのが幸せなのか?
双子は本当に欲しいものを求めて未知の世界に向かって旅立つ。
(パンフレットより抜粋)


脚本・作詞:ビル・ラッセ
作曲:ヘンリー・クリーガー
演出:板垣恭一


感想というより私見です。あまり舞台の内容については触れていません。


重いだろうな〜と予測して行ったものの、それ以上にヘヴィでした。私には。
ブラックユーモア苦手だから面白みを感じるところが少なかったのも辛かった。
シャム双子がサイド・ショウと呼ばれる裏の世界から、表舞台に立って成功して行くにつれて、周りの人たちの評価は上がっているはずなのに好奇の視線は消えることはなく、ぬけぬけと「ご結婚は?」なんて聞くリポーターやセレブの神経にげんなりしました。
文化が違うからなのか?くさいものにはフタの精神も褒められたものではないですが、それでもやっぱりなんだろ、ショックだった。
何より衝撃だったのが、結婚を目前にバディとぎくしゃくし始めたヴァイオレットに、バディの思惑(ヴァイオレットと結婚して自分もスターになる)に気付いたジェイクが僕と結婚しようと告白するんですが、それに対するヴァイオレットの返答。
「貴方とは結婚できないわ。だって肌の色が違うんですもの!」
言い放った瞬間「えぇえええ!!!?」でした。いや、肌の色以前にお前自分を振り返ってみろ。と。
昨年見た映画でも感じたんですが、「差別されている者もまた他者を差別する」っていう、なんだろう、もう・・・これこそが人間の業なんでしょうか。
あんまりなヴァイオレットに怒ったジェイクは二人の元から去る決意をします。そりゃそうだ。サイド・ショウの一座の頃から二人を支えて、表の世界でも彼女たちを支えていたのは描かれてはいなかったけれどあきらかにジェイクだろう。
テリーとバディはただの顔の良い野心家と優男だよ!!
でもヴァイオレットも「普通の結婚」を夢見る女の子なので、アフリカの奥地に生息していた人食い人種(とサイド・ショウでは言われていた)の肌の色が違う精悍で生活力のありそうなジェイクより、感情のままに動くことを優しさのオブラートで包み隠したあげく最期にはケツまくって逃げてしまうようなイケメン・バディが良かったんでしょうね。
ちなみに双子の片割れデイジーは、デイジーを愛しているのに彼女がシャム双子であることをどうしても受け入れられず、その気持ちを押し隠しているつもりで隠しきれてないダメ男でした。
さんざんな評価で申し訳ないけれど、ダメ男好きな私でもこの二人は願い下げだわ。
しかし双子それぞれのカップルが対照的で、それは上手く出来てるな〜と感心しながら見てました。
正負がきっちり逆なんですよね。双子なんだから同調してもよさそうなのに、そりゃもう見事に。
バディとテリーにスカウトされて舞い上がったのは姉のデイジー
これでサイド・ショウとはおさらば、表舞台で思い描いていたスターになれる、夢が叶う!とデイジーが喜ぶ反面、普通の暮らしがしたいヴァイオレットは憂鬱顔。
けれど成功するにつけ、今度は貴方の夢を叶えなくちゃねとデイジーがバディとヴァイオレットの仲を後押し。何となくいい仲になる妹とその彼氏を横目に見つつ、今度はデイジーが煮え切らずに思いを打ち明けてくれないテリーにイライラ。
バディとの結婚が決まってマリッジブルーになったのはデイジーかと思いきや、直前でぎくしゃくし始めた二人に何故かここでテリーの心の蓋が開く。といっても、遊園地のアトラクション「愛のトンネル」の闇の中だけなんですけどね。
でもこのシーン好きです。
結婚式の前日、四人でひとつのボートに乗って暗いトンネルの中を漕いでいくのだけれど、それまではずっと彼女の隣にいた存在が闇で見えなくなり、二人きりを実感したテリーが自分に驚きながらデイジーにキスをする。
感激して歓喜を歌うデイジーの隣では、一向に抱きしめてもキスしてもくれないバディに不安を募らせるヴァイオレット。
闇の中で己の過ちに気付いたバディは今更後悔と葛藤を繰りかえしヴァイオレットの不安になんて気づきもしない。
アトラクションから降りた四人それぞれのまったく違う表情は面白かった。
結局バディとヴァイオレットは破局。けれどこの結婚式を成功させなければ、彼女たちの未来は開かれない。それなら私と貴方が結婚しましょうとテリーに提案するも、テリーは煮え切らず拒否。
結婚式が成功すれば映画の契約が成立する。
双子がとった手段は二人で結婚式をあげることでした。
みんなが観に来ているのはシャム双子の結婚式。だから自分たちさえいれば大丈夫と言い切るデイジーに、恐いわと怯えるヴァイオレット。
せめてもの励みにと、映画のタイトルは?とプロデューサーに問えば、「ばけものたち」と残酷な答えが。
それでも前に進む双子にどんな未来があるのかなんて私には想像もつきません。
実際は映画も何本か撮っているようですが、彼女たちが幸せと平穏を感じられた時間はあったのかな。なんて余計なことを考えてしまいます。


なんか散々な事書いてるようですが、それでも感想めいたこと書きたいな―と頑張ったのは、偏に曲が良かったからです。
M1:バケモノを見においで、と、M24:愛のトンネルは今でも頭に残ってる。
バケモノ〜は、女性コーラスの声が涼やかで、聞いていて気持ちよくなる歌でした。歌詞は残酷で悲しいものなんだけど、耳に華やぎを感じる曲でした。
M24:愛のトンネルは、さっきも書いたけど四人それぞれの心の揺れが交互に描かれていて、実際はそんなにテンポ早くないと思うんだけどスピード感を感じる曲だった。
つーか愛のトンネルてどんなアトラクションなの・・・とそんな変なところに興味がわいたり。うん。
二ヶ月たった今でも頭に残ってるのはこの2曲なんですが、ヴァイオレットとデイジーのショータイムの歌や曲も可愛かったり怪しかったりするのが多くて楽しかったです。
そう、この辺のショータイムは重さを忘れて楽しめたんだ〜。
あとでパンフレットを見て知ったんですが衣装は相当凝ってたようです。実際見ている間も何着衣装替えがあるんだろう、しかも全部豪華〜と見とれてたんですが、ファッションショーを見る感覚で見て下さいとパンフに書かれていて納得。
エジプトのクレオパトラみたいな衣装と、夏の爽やかなパンツルックが私のイチオシです。
アンサンブルもみんな場面ごとに衣装替えして登場してたから、そうとうな衣装の量なんではないでしょうか。
探検隊のかっこで出てきた小野田くんは顔が隠れてたけど顎でわかりました。顎・・・っていうか、口元特徴あるよね。目もね。いや、わかるもんだなとちょっと自分に感心しただけです。


ついでだから小野田くん語り。
取り敢えず小野田くん目当ての私は「おにょだどこだろ〜」ときょろきょろ・・・する間もなく見つかった!!
顔!!おかお真っ青(緑?)
幕開けすぐは見世物小屋を見に来た客に扮していて帽子とコート着用だったけど、それでもはっきり分かるほど顔緑!!は虫類人間とか言ってたもんな〜〜。
場面が転換して見世物小屋の面々が紹介されながら登場。やっぱり緑系のもさっとした上着と同色マーブルのパンツ、片手(左だったかな?)は袖が長く結んだのをプランプランさせてました。もう片方の手はツメっぽいのがついてたかな。
足は極端に言うと動物スリッパのようなドタッとしたのを履いてて動きにくそうだった。
あと髪型・・・。ヅラかエクステだと思うんですけど、某国民的猫型アニメのスネちゃまのようでした。似合ってた・・・あまりにもその髪型が似合いすぎてて、劇中普通のタキシードで出てきた時(髪普通)が物足りないほどでした。
思っていたより出番があったようななかったような?少しでもお歌が聞ければよいな〜と期待してましたが、ソロパートすらなかったのが残念。でもミュ以外の小野田くん観るの初めてだったので面白かった。
劇中、双子のショータイムで探検隊のような格好で出てきた時のダンスでバレエジャンプを確認。
ごめんね、ミュだと他にも色々目がいっちゃって(あと友人のひどいレポ(笑)のせいで)ダンスの存在感があまりなかったの。けど今回ちゃんと確認してきたよ。バレエバレエ!なるほどね!
でもダンスよりもがっつりお歌を聞きたいので・・・えぇとマリアさんは歌うのかな?がっつりお芝居なのかしら。どっちにしても楽しみにしてよう。
個人的にツボだったのは年始パーティのシーンです。
タキシードで女性をエスコートしながら出てきたものの、年齢のせいか他の方より貫録もなく、メインの後ろで芝居をしている姿もどこか女性にリードされてる感じが可愛かったです。
他の来賓を指しながら「あの人は誰?」「あれは**の**氏よ」「へーえ。・・あの人は?」「あれは・・・」ってかんじ。
ダンス(タンゴっぽいの)で女性をリフトしたときは「おお」と思ったけど、他のオトナに比べたら不安定な感じがして内心仰け反った。かわええ・・・!!
と。小野田くんの見所はこんな所でしょうか。見所?って感じだけど。
モーツァルト!もこんな感じなのかな。小野田くんと比べるとマサや馬場は一足飛びに仕事してるんだなって感じがして、凄いと思うと同時にヒヤリともしたわけで・・・。
でもそんなヒヤリも感じてしまったこちらが申し訳なくなるくらい二人とも足下固めて固めて取り組んでますよね。若いのにえらいなぁ。
二人の舞台はもちろんだけど、小野田くんが出る舞台ももっと見たいなと思ったのでした。たいちゃんのはねぇ・・・DDのたいちゃんを見る勇気が今一歩ないです。ベビードールとちゅちゅとミニスカチャイナ・・・そんなん見たら憤死する。きっと・・・。



なんにしろ、色々と衝撃を受けた舞台でした。
うーん、でもブラックユーモアはもういいかな・・・