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観劇、LIVE覚書

戯伝 写楽 20100425

たーのしかったーーーーー!!!!
開口一番こう叫んでしまうほど楽しくてたまんない舞台でした!
パチッとかみあった脚本と演出、さらに活き活きと演じている役者さん達の「楽しい!」という気持が観ているこちにがっつり届いて、数時間経った今でも気持が弾んだまんまです。今日絶対寝れない(笑)
そしてそして、やっぱり私新感線テイスト大好きなんだわ〜〜〜と嬉しくなったのでしたvv
やーもう、ラブだよね!!




天使のララプレゼンツ
戯伝 写楽


寛政五年、師走
喜多川歌麿の美人大首絵が大人気の江戸に、己の絵で一儲けを企む男がいた。
男の名は斉藤十郎兵衛。
十郎兵衛は歌麿と版元の蔦重、時の文人大田南畝の酒宴にずかずかの乗り込み、自分を売り込む。
生業は能役者という十郎兵衛の絵の未熟さは言うまでもないが、妙な愛嬌に酒宴は続く。
結局売り込みに失敗した十郎兵衛。唯一の友人与七と共に繰り出した盛り場で、不思議な女おせいに出会う。
流れの絵描きと名乗るおせいの描く絵の独特な息使いは「とても余人には真似が出来ない」と直感した十郎兵衛は、今度はおせいの絵で一儲けを企むのだった。
(パンフレットより抜粋)


作:中島かずき
演出・作詞:荻田浩一
音楽:立川智也


完成!(20100502)


緞帳が開くと写楽の浮世絵をコラージュした幕の上に立つおせい。下手から十郎兵衛。
メインテーマ(になるのかな?)を二人で歌い上げる中、おせいが立っていた幕がするするとあがっていきます。
この絵、幕開いて暫くは青い照明のせいかモノトーンに見えてたんですが、上がっていく最中でちゃんとフルカラーのものだと気付きました。
この幕もそうですが、舞台装置が色々趣向が凝らされていてこちらも面白かったです。
ボックス型の装置が吉原の宿になったり橋になったり、座敷になったり。回転しながら仕様を変えていくのみならず、中から人が顔を出したり、それがまんま浮世絵を思わせる賑やかさでした。


開幕デュエットが終わった後はさてさて本筋です。
売れっ子になった途端版元を移った歌麿と、歌麿が世に出るまで世話をしていた蔦屋重三郎こと蔦重の仲違いを何とかしようと、大田南畝先生が一席設けますが、なんともうまくいかない
意地を張る蔦重と、自分の作品は自分のモノと主張を曲げない歌麿に、「良かれと思ってしたことなのに余計なことだったのか、気まずい、時間がたたない、誰か助けて〜」と歌う南畝さん。
この南畝さん。この後も十郎兵衛と歌麿達を会わせてやっぱりお節介だったかしらでもでも興味津々なんだもん〜的な事を歌うんですが、この懲りなさがなんだか憎めないキャラでした。
そんなどんよりイライラ楽しくない酒宴の席に十郎兵衛が意気揚々と現れます。
突然の闖入者に面食らう三人。十郎兵衛が言うには、売れっ子になった途端手のひら返す薄情者なんか見限って、オレにかけてみないか?だそうです。
ひらりと自分の描いた絵を蔦重に見せて「どうだ」と意気込む十郎兵衛。
けれど蔦重は、なるほどその手は「素人にしては」上出来だけど、プロとしてやっていくほどではない。とばっさり。
ショックを受ける十郎兵衛をよそに、闖入者のおかげで席を立つ口実が出来たと歌麿と蔦重はそれぞれ宴会を後にし、残ったのは手つかずのご馳走とお酒と間抜けな十郎兵衛と南畝さん。
南畝さん。仕方がないので十郎兵衛にただ酒振る舞って夜が明けるのでした。


夜が明けて。酔いつぶれている十郎兵衛の元に儲け話はどうなったんだと怒鳴り込んでくる与七。
かっわいいんだ。もう「何が」って説明するのがいっちいちできるかってくらい逐一かっわいかったんだ!!
D☆Dの中にいるときや、年下の共演者と一緒にいるときとは違う、自分が「下」だと自覚して「上」に甘えにかかってる感じがすっごく可愛いんだ。これ、ミニチュアシーサーにも言えることなんですけど、なんだろうねその世渡りというか人当たりのうまさ。見習いてぇ・・・。
と、そんな話は後にして。
儲け話はおじゃん。どうすんだよばーかばーかとケンカになって、もういいよふーんだなんて言っちゃって江戸の町中で別れようとしたら、何がどうなったのか他の男衆と乱闘に。(いや、これちゃんと理由と流れがあったんだけどど忘れした;;)
その乱闘の中、ふらりと現れるおせい。ケンカしている十郎兵衛の顔があまりにも面白くて絵を描くのに夢中になっている内にケンカに巻き込まれてしまう。
十郎兵衛は女をケンカに巻き込んじゃいけないと、おせいをかばいながらばったばったと相手を殴り飛ばしながら、頃合いをみて与七共々とんずら〜〜〜。
あんたらケンカしとったんちゃうんかい・・・。まぁ、男友達のケンカなんてそんなもんですかね。しかも十郎兵衛、与七しか友達いないそうですし。
雰囲気からして河川敷に逃げてきた二人。これで一安心と思いきや、後ろから「あんたたち足が早いねぇ」とのんきにおせいちゃん登場。
着いてきたのか!?と驚き、あちゃーとなる十郎兵衛にも構わずおせいちゃんは「だってアンタの顔面白いんだもん」と絵を描き続けます。
その絵を見た十郎兵衛。何かを企んだらしく、一緒に天下を取ろうと与七とおせいに話を持ちかけるのでした。


後日。早速おせいの描いた絵を手に蔦重を訪れる十郎兵衛。
けれど蔦重は留守らしく、丁稚に「留守です!帰って下さい!」と追い返されます。それでも諦めず「居留守だろ!?」としつこく食い下がる十郎兵衛と丁稚のやりとりが面白かった!
丁稚「これ以上しつこくするなら水かけますよ!」
十「やれるもんならやってみやがれ!」
丁稚(手に持ってた桶から柄杓でびしゃっと水をかける)
十(びっくりしてきょとん)
驚く十郎兵衛に丁稚は更に柄杓でびしゃびしゃ水をかけ、しまいには桶をひっくり返して頭にひっかぶせます。それに何してくれてんだともみ合う十郎兵衛と丁稚が子どものケンカみたいでおもしろ可愛い。
オトナとコドモみたいな見た目もおもしろさを十分に引き出してました。
この丁稚役をやっていたのは海老澤健次さん。市役の遠山さん、富三郎役の石井さんとトリオで色んな役をこなしてました。カテコの挨拶では大泣きしたりして大変可愛らしい方だった。
そんな水掛けもみあう丁稚と十郎兵衛を離れたところから見ていた南畝さん。とりあえず何だどうしたと止めに入ります。(すぐに止めにいかない辺りこの人もなぁ・・・後ろでぼんやり見守ってる姿が妙におかしかった)
ただ酒先生丁度良かった、蔦重に取り次いでくれよと頼む十郎兵衛に、ただ酒先生南畝さんはあの時はあの時、今お前が蔦重ののれんを潜るのはわけが違うよと取り合ってくれません。
さすがです。公私混同はしません。政治家はこうあって欲しい(違)
けどこの南畝さん。敵方のキャラクターであるにも関わらず何故か憎みきれない。写楽を名乗る十郎兵衛の化けの皮引っぺがしてみようとしたり、損得じゃなくてただ好奇心で動いてるだけだからなのかな。少なくとも私には彼から悪意は感じ取れませんでした。
南畝さんだけでなく、歌麿さんも憎みきれなかったな〜。モノを作る、発信する側の人間がもつ矜持や葛藤なんて私には分かるわけもないのですが、どのキャラクターも妙に人間くさくて愛おしく感じました。
さて元に戻して。
そっけない南畝さんにそんなぁとむっとする十郎兵衛。けれどそこにタイミング良く(悪く?)蔦重が帰宅します。
ほらね、居留守じゃなかったでしょ。と胸を張る丁稚を押しのけて、おせいの描いた絵を蔦重に見せる十郎兵衛。
こないだの絵と随分違うそれに驚く蔦重と南畝さん。一体誰が描いたんだと聞いても十郎兵衛は自分が描いたと言い張ります。
「この間はアンタの目が節穴かどうか確かめたんだ。あの絵で納得できるようじゃ天下の蔦重も大したことないってな」と嘯きます。
何だかんだと威勢を飛ばして蔦重を何とか丸め込んだ十郎兵衛は支度金を手に揚々とおせいと与七の元へ。
けれど、蔦重だってダテに版元やってるわけじゃあありません。絵を描いたのが十郎兵衛でないことはお見通し。けれど誰が描いたかが問題じゃない、この絵に蔦重の身代つぎ込むんだと息巻いて・・・
さあ、どんどん話が大きく、そして面白くなっていくのでした・・・!


写楽の大首絵が出回った途端、江戸中大騒ぎ。
今までの着飾った役者絵ではなく、役者の素顔を写し描いていると評判の写楽の絵に町は写楽の話題でもちきりです。
けれどそんな評判の写楽の絵に良くない顔をする人たちもいるわけで、それまで美人大首絵で売れっ子だった歌麿さんや、思わぬ素顔を描かれた役者(富三郎)、版元の鶴屋さんが吉原に寄って集って写楽の正体に首を捻ります。
一度十郎兵衛と会っている歌麿は奴にこんな絵が書けるわけないと全否定。
そこに鶴屋に呼ばれてやってきた鉄蔵。写楽の絵を一目見るなり血相変えて宴席から飛び出します。
おかしな奴だなと首を捻る鶴屋に、我関せずの歌麿
同じく鶴屋に呼ばれて座敷に入った吉原一の売れっ子花魁浮雲は、写楽の絵を見て恐ろしさを感じます。上っ面だけでなく、その人の内面、業まで描き出したその絵に浮雲は何かを感じ取ったようですが、ここではまだそれは秘めて歌麿と夜を共にするのでした。(・・・ってことでいいんだよね?あれ)
この浮雲歌麿のデュエットが格好いい。ちょっと大衆演劇ってこんな感じなのかしらねと筋違いの事を考えたりもしました。
浮雲の付き人市が二人の影で良い仕事をするんです。脱ぎ捨てた浮雲の打ち掛けを拾い上げた市が、歌の終わりで歌麿に着せかけるんですが、背後からただ羽織らせるだけではなく袖までピッと渡して絵を作るんです。
このシーンに限らず、全編通して役者さんの動きが細部にまで気がきいていて、感心しながら見ていました。
あと、このシーンで市と浮雲は何かあるんだろうな〜と見てたらその通りだった。そんな感じ取れるお約束すらも素晴らしく劇的に見えるからすごいんだ。


一方の十郎兵衛、与七、おせいはというと・・・
十郎兵衛のお屋敷の近くに質素なおうちを借りて絵を描くことに没頭するおせいと、その身の回りの世話をする与七。そして世間には自分が写楽だと吹いてまわる十郎兵衛。
一見十郎兵衛が美味しいとこどりのような気もしますが、これもちゃんと考えあってのことらしく、おせいには一時だけだから我慢してくれよと詫びるシーンなどもあったり。
つーか二人の世界でデュエットするおせいと十郎兵衛のうしろでちょこまかする与七が・・・与七が。
かわいかったです。ええ。ほっかむりつけておなべ持って、「今日のご飯は煮込みうどん!」ってすっかりおかんです。
ご飯作るほかに掃除だって洗濯だってします。実はこの家見つけてきたのも与七です。蔦屋さんとの連絡だってとってます。
だのに、だのに二人は与七(と作った煮込みうどんほっぽらかしてラブラブデュエット・・・。そら面白くないよね〜。ねっころがって空なんて仰いじゃうよね〜。
おまけに漸く歌が終わったので、煮込みうどん食べようよと言っても二人ともなんだかよそ事ばっかり。腹が立つので「世話してるのはだれ?この家探してきたのはだれ?」と主張してみるも、二人とも素むし。
この時、与七・・・いや、リーダーはなんとかおせいちゃん(大河さん)を笑わそうとなんやかんやと絡んでおりましたね。
見ていてその意図があっりあり分かるほど絡んでましたね。
まあ、さっすが宝塚女優。クスリともしませんでしたけどね!!
あーもう、おっかしかった。一人で特攻しかけて自爆して情けない顔で十郎兵衛(橋本さん)見るリーダーのいけてなさっぷりに身もだえた。
そういややっぱり大楽だからか、役柄半分、素半分な演技が多かった気がします。つーかアドリブ多すぎ!!
でもそのアドリブがまた無理なく自然で、そしてまた何事もなかったようにきれいに本筋に戻っていくのが芸術的でさえあったわ〜。


おせいと十郎兵衛のやりとりで、突然「ねる?」と言い出したおせいに慌てふためく十郎兵衛がかわいかったです。
大概いい年してるはずなのに、それこそ十代の少年のような反応が意外でそれが十郎兵衛って人の人柄を物語っているようでした。
そしてまた、「住むところと食事まで世話してもらって、好きな絵を描かせてもらって、何も返せないからせめて」と言うおせいの今までの生活を想像させるやりとりでもありました。
一宿一飯を体で払って旅を続けてきたんだろうなぁと考えると切ないような、その時代では当たり前のような。そもそも江戸時代で女の一人旅ってどんだけ大変かって言う話ですよね。まぁ、ふわふわしているおせいちゃんならふんわりふんわり諸国渡り歩いてきたんでしょうが。
おせいっていう女性は喜怒哀楽が欠如とまではいかないけれど薄い感じがひしひしとしました。好き、嬉しい、楽しいって感情はふわっと自然に発するんだけど、怒りや悲しみといった負の感情を発露することがなかったなぁ。
最期の最期で十郎兵衛にそれをぶつけたような感じもあったけど、あれはそんな強烈なもんじゃなく駄々をこねる子どもって言った方がいい気がします。
そしてそんな二人のやりとりを影で見ている与七・・・。いい加減、デバガメおやめなさいよアンタ。


そんなこんなの後。
十郎兵衛が去った隠れ家に鉄蔵が現れます。町で十郎兵衛に声をかけて写楽は十郎兵衛じゃないと確信した鉄蔵、どうやら十郎兵衛の後をつけてきた模様。
そして隠れ家におせいを見つけるなり飛び出してきて、「やっと見つけた!」と歓喜の声をあげるのでした。
この鉄蔵。自分の絵の才能に限界を感じて旅をしているところをおせいと出会い、暫く一緒に暮らしていたそうです。
また昔みたいに二人で暮らそうとつめよる鉄蔵を、絵を描きながら殆ど相手にしないおせい。この態度でおせいの気持が自分にないのはわかるはずなのに、この男しつこいんだ・・・。
絵を描いて暮らそう、お前の絵の才能に惚れているんだという鉄蔵を、「アンタが夢中だったのはあたしの体じゃないか」とばっさりやっちゃうおせいちゃん。
十郎兵衛とのやりとりもそうですが、何だかえらく生々しいんだ。この辺り。でも嫌らしくはないのが不思議。
まったく相手にされない鉄蔵はそれでも何とかしようとおせいを無理矢理隠れ家から連れ出そうとします。と、そこにタイミング良く戻って来た与七。おせいちゃんに何するんだと一悶着。そこにまたまた蔦重まで現れて、写楽の正体が十郎兵衛ではなくおせいだとばれてしまうのでした。
十郎兵衛もここに戻って来て鉄蔵ともめるんだけど、どのタイミングだったか忘れてしまった。おせいが与七に十さん呼んできとくれって頼むんだったかな。
おせいが鉄蔵よりも十郎兵衛を気に入ってるのは、十郎兵衛の顔が面白いからだそうです。くるくる変わるその表情を絵に描きたいんだそうな。
さてさて、そんなこんなで蔦重も鉄蔵も巻き込んで、「写楽」っていうでっかい絵を江戸に描こうじゃないかと十郎兵衛達の企みは新たにさらに大きくなって仕切り直されるのでした。


所変わって吉原楼閣の一角。
浮雲に呼び出された十郎兵衛はしつこく「アタシを書いてくれ」と迫られます。
描いてくれと言われても十郎兵衛に書けるわけもなく、のらりくらりのやりとりに業を煮やした浮雲、言葉汚く十郎兵衛を罵ります。
しまいには十郎兵衛にこの吉原に出入りできないようにしてやると啖呵をきった浮雲に、さすがの十郎兵衛もあったまきたようで「こっちから願い下げだ」と切り返します。
この啖呵が格好良かった。べらんめぇで一気にまくし立てた十郎兵衛に、はっとしたのか帰ろうとする十郎兵衛を呼び止めて「アタシが悪かったよ」と謝る浮雲
そして二人はねんごろに・・・・って、十郎兵衛うまくやったなぁと想うワタクシなのでした。
全般、自分の願うこと意外は上手くいくんだこの男。でも本当に願うことは叶わないっていうのが、なんていうか、ダメなんだなぁ。


役者も揃い、舞台も整ったところで一幕終了。
息つく間もない展開とテンポの良さに、あっという間の前半でした。気付けば1時間強、いつもなら気もそぞろになる一幕終了間際でも舞台に釘付けでした〜。
そんでもってやっとこ二幕。覚えている限りで頑張ります!




写楽の評判はうなぎのぼりの急上昇。
けれどまだイマイチ「イロモノ」の域を抜け出せない。世間が写楽を本物だと理解するまでもう暫く日陰の身で我慢してくれと言われたとおり、おせいはもくもくと隠れ家で絵を描き続けているのでした。
与七も身の回りの世話をしたり忙しく、十郎兵衛は十郎兵衛で写楽の表の顔として芝居小屋に顔を出したり遊んだりと忙しそう。
何のかんので順調に事がはこんでいるように見える中、またしても南畝さんが余計なことをしてくれちゃいます。
お酒飲もうよと宴の席に呼ばれた十郎兵衛。けれどそこには歌麿、鶴屋、鉄蔵の三人が。
これはまんまと嵌められたと怒る十郎兵衛ですが、南畝先生口がうまい。ただ酒飲ませてやっただろう、用意した酒と料理に罪はなかろうと十郎兵衛を丸め込んで席につかせます。
それでまぁ、酒を飲みつつ料理食いつつチクチク嫌味なんぞを言い合いつつ、ほどよく場も温まってきたところで浮雲登場。
鶴屋さん、ここはひとつ余興で歌麿センセと写楽センセ、浮雲を描いてはみませんかと持ちかける。
料理は食べた、酒も飲んだ。まさかここで断るなんて、じゃあアンタ写楽じゃないんじゃん?と鶴屋、南畝、歌麿に詰め寄られあわや窮地の十郎兵衛。
とりあえず、「よっしゃやったる」と頷いたもののその前に「腹が痛い」と鉄蔵をつれて厠へGO。
お前よくもやってくれたな、彼奴らと組んでオレを騙したな。と鉄蔵に怒りをぶちまける十郎兵衛ですが、鉄蔵も呼ばれただけで「俺はなにも知らなかったんだ」と言い張ります。
それじゃあどうする、ここから俺は逃げるからお前あとはよろしく。
でもそれじゃあアンタが写楽じゃないって言ってるようなもんじゃないか。
駄目な男が二人して頭を寄せて考えてみたところで良い案は浮かびません。
とりあえず、おせいの手なら俺の方がよくわかっているから俺の描いた絵とすりかえようと鉄蔵が提案。
そこに鶴屋さんが二人を呼びに来て、腹の具合は大丈夫ですか何て言いつつ二人を席に戻します。
この時、ふたりがぎゃいぎゃい言い合ってる傍らで、女中にばけたおせいちゃんが座敷に入ってきてたんですね。
あー、おせいちゃんだー。と、どうするのか見ていたら、十郎兵衛が描く紙の束の中に自分が描いた浮雲の絵を紛れさせていたようです。


このシーン。場面転換を移動できる屏風をすごく効果的に使ってて面白かったです。
屏風に映る燭台の影とかも雰囲気があったし、屏風のはずなのに障子のようにスライドして、部屋の内と外を隔てたりしてました。
一階席から見たら屏風の奥は見えないのでしょうが、二階席だったので奥まで見えて、それが俯瞰で描かれた絵巻物のようでした。そこまで計算して見せてるのだったら凄い。


女中がおせいだと気付いた十郎兵衛。さらさらさらりと絵を描いて、ささっとおせいの描いた絵とすりかえて「どうだ」と差し出します。見てると「おっさんばればれやでぇ!」ってくらいおおざっぱな動きなんですが、まあ、ばれません(笑)
十郎兵衛は贋者と決めつけていた三人は唖然。
おせいがその場にいたのを気付かなかった鉄蔵は呆然。
そして、自分の業が描かれた似顔絵に、浮雲は憑きものがおちた、いいえ、もしかしたら逆に取り憑かれたのかも知れません。
化粧で隠しても隠しきれない自分の本性を描いた絵に、浮雲は何かを決心したように笑うのでした。


浮雲役のソニンちゃん。実を言うとパンフレットのプロフィールで「カレーライスの女」の文字を目にするまで、ユン・ソナと間違えてました。何で!?なんて責めないで・・・。自分でもバカだなぁと分かっているから。
けれど、女子高生のイメージしかなかった彼女ですが、すごい女優さんになってたんだなぁと驚きました。
あんなに凄絶な女性を演じられるなんて、ちょっとイメージ変わりましたですよ。
登場シーンから立ち居振る舞いだけでなく、雰囲気や科白ひとつにも迫力がありました。何かを隠し持っている花魁浮雲、そしてそれが割れてから最期のシーンまで、とにかく凄まじかったです。


蔦重と与七のターン。
でもないけれど、閑話休題のように現れる二人。
どうやら蔦重にご馳走になった様子の与七、ありがとうございますと礼を言うと、与七の裏の顔に気付いている蔦重は「十郎兵衛ばかりが前に出てお前さんも面白くなかろう」と返します。
実は与七も十返舎一九という別の名で、世に出る機会を窺っている創作者なのでした。
今はおせいと十郎兵衛の二人が面白くて取材がてら世話を焼いているのですが、これをネタに一本描いて世に打って出ようという魂胆だったようです。
この十返舎一九の時の顔と与七の時の顔がコロリと変わって、「おお。」となりました。
踊るリーダー、歌うリーダーは何度か観たけど、お芝居のターンは初めてだったので新鮮というか、この人ほんとのりしろ大きいなと。・・・・ま、マサだって負けてないんだから(こら)
見透かされていた気恥ずかしさと、みてろよやってやるぜ、と、与七と一九の半々の顔に、この一九のお話も見てみたいと思わされました。
けれど今はひとまず写楽だ。写楽の名を江戸ッ子達、いやそのずっと先に続いている東海道の先まで知らしめて日本をひっくり返してやるぜと息巻く蔦重。
蔦重の身代かけてやらぁと啖呵をきる蔦谷に、客席から「蔦屋」「蔦重」の声が上がってました。
その声に「サンキューベイベ!」と返す山路さん。
ええ、落ちた・・・落ちました。ステキなおじさまがだーいすきな私はもうこれで陥落です。うぉおお、再演あったら絶対よんでやるんだからぁ!!!


さて。贋者の疑いも晴れ(?)、写楽の名前をどんどん売ってこう!と盛り上がる中、おせいはまさかのスランプに陥ってしまいます。
与七が言うには浮雲を描いてから様子がかわったとの事。
もっとあの人が描きたいと、熱に浮かされたみたいになっているおせいに十郎兵衛はほとほと困り果てます。
なだめすかしてみても、叱ってみても、おせいの手は止まったまま。蔦屋さんとの約束もあるし、描いてもらわないことにはどうにもなりません。
そんな十郎兵衛に「描きたいモノを描かせてやればいいじゃないか」と与七。
とにかく、描けなくなったおせいに手を焼く十郎兵衛は困り果ててしまいます。
とうとう、そんなに言うなら描かせてやろうかと考えた矢先、浮雲が死んだという噂が舞い込んでくるのでした。
あの人死んじゃったの?とおろおろするおせい。けれど浮雲は死んではおらず、心中に失敗して刑場に曝されているのでした。
写楽の、おせいの絵を見て自分が隠していた本当の顔に気付いた浮雲は、もう隠して生きるのは嫌だと付き人の市と心中を図ったのです。けれどそれは失敗に終わり、吉原の掟を破った罰を受けているのです。
刑場に行けば浮雲を見れる。彼女を描けると走り出すおせい。慌てて後を追う十郎兵衛でしたが、おせいは無残な姿の浮雲を目の当たりにしてしまうのでした。
前の所にも書いたのですが、このときの浮雲ソニンちゃんがすごかった。
白い襦袢に解けて乱れた髪。既に息絶えた恋人の市とひとつ柱にくくりつけられ、江戸の民の好奇と敵意のど真ん中にいるのです。
けれど自分は後悔はしていない。あのまま嘘で塗り固めた人生なんて何の意味もない。自分はお前達より幸せだ。と強がりではなく、おそらく本心。けれど、悪意の中でそれを言い切れる強さは狂気にも感じられました。
群衆の中に写楽、十郎兵衛の姿を見つけた浮雲は、「先生、書いとくれよ。ここにいる連中みーんなの顔を書いて、こいつらに自分の業をみせてやっとくれ」と叫びます。
写楽がいるとざわつく群衆。狼狽える十郎兵衛と見入るおせいの目の前で、浮雲は自らの命を絶つのでした。
息絶えている恋人市の胸へ倒れ込む浮雲。悲しい二人の結末です。
あまりにも惨い惨状にも絵筆を取ろうとするおせいに、十郎兵衛は「描くな。描くなら心に描け、心の中に刻み込め」と言ってしまいます。
これがきっかけで、またしても運命の歯車はいやーな方向にギシリと音をたてるのでした。


市と浮雲の話は重要な切っ掛けにはなるけれど、それまでちゃんと語られてはいなかったんですよね。
前半の歌麿浮雲のシーン、十郎兵衛と浮雲のシーンで市が存在感を出して、写楽に絵を描いてもらった浮雲が着物を脱いで市と抱き合う。
たったこれだけなのに、なんつーヘビーな締めくくり。っていうか、たったそれだけしか見ていないのに、ちゃんと頭の中では市と浮雲のストーリーが組み立てられているのがすごいと思います。
極最小のチラ見せで、でも観客の頭の中には残るような見せ方になっているんでしょうか。
吉原好きで曽根崎心中とか知ってるって下地も手伝ってるとは思いますが、それでもガツンときた市と浮雲のお話でした。


浮雲の最期を見てからその場面ばかりを書き付けるおせい。
こんな絵じゃ売り物にはならない。それどころか写楽の名は一気に地に落ちると十郎兵衛だけでなく蔦重も頭を抱えます。
何でこんな絵ばっかり描くんだ。もう描くなと怒る十郎兵衛に、おせいは「アンタが描けっていったんじゃないか。心に刻めって」と言い返します。
心に刻んだおかげで浮雲がいなくなった今もずっと書き続けることが出来る。描いても描いても、消えることはないから。
呆然とする十郎兵衛に、おせいは死人に取り憑かれてしまったんだと冷静な与七。
十郎兵衛は「いっそ描くための眼が閉じてしまえば」と不吉な事を言い残して去っていきます。
与七は最初から二人に一線引いてみてはいたけれど、ほんっとーに創作ネタの対象として俯瞰で観てたんだなと言うことがこの場面でまたはっきりしました。
何のかんのいいつつ、十郎兵衛とは友達だし、おせいちゃんの身の回りの世話を一手に引き受けているくらいだから情もあるだろうと思ってたんですが、この時は一九の顔で二人に見切りをつけていたように思います。
この後の蔦重とのやりとりでも、一人冴え冴えとした顔をしているのが印象的でした。私は、個人的には与七のちょっとお茶目な顔の方が好きだなー・・・なんて。ほんと私見ですけど。(この感想全てが私見なんですけどね;)
そんなおせいの元に久々鉄蔵がやってきます。
けれどこちらも少し様子がおかしい。
鶴屋と南畝さんの企みの席で、おせいが描いた絵を本当に十郎兵衛が描いたと勘違いしたままの鉄蔵は、どうやら十郎兵衛にすら描けるのにどうして自分には描けないんだと絶望してしまったようです。
あるよね・・・。自分が描きたい者を他人が易々と描いているのを目の当たりにすると、もう、何て言うか心が折れる。(実際はその人もそこにくるまでに努力してるんだろうけれど、そんなことこっちは知らないから)
そんな心がボッキリ折れちゃった鉄蔵さん。どうして俺じゃだめなんだ、どうして彼奴なんだとおせいに詰め寄ります。
以前は「だってあんたの顔つまんないんだもん」とそっけなかったおせいちゃん。
トチ狂った鉄蔵の顔にかき立てられるものがあったのか、きゃっきゃとはしゃいで「その顔!!」と筆を走らせます。
まあ、バカにされたと思うよね!自分のモノにはならないわ、人が必死んなってるのに目の前ではしゃぐわ。
で、鉄蔵さん。懐から匕首取り出しておせいちゃんを襲います。いっそ何も書けなくしてやると襲いかかったすんでの所で十郎兵衛が現れておせいを助け出すのですが。
「絵描きがそんなもの持っちゃいけねぇな。そんなもんでこうするのは、俺で十分だ!」とおせいの目に刃を・・・。
おせいの悲鳴に憑きものがおちた鉄蔵はその場を後にし、残された十郎兵衛は苦しむおせいを抱きしめながら「すまない」と詫びるのでした。


視力を失った写楽に、絶望する蔦重。
これからだって言うときに、こんな絵(浮雲の最期)なんて世に出せるはずもない。いいや、出してやる、これを世に出して写楽のすごさを世間のやつらに見せつけてやるんだ!と、与七に絵を版屋に持って行けと怒鳴りつけます。
それまで割と冷静だった蔦重の最初で最後の泣き言ですが、その横では対照的に与七が冷静な顔で黙々と隠れ家の後片付けをしているのでした。
この話通して、写楽の夢に取り憑かれなかったのって与七だけなんじゃないかな。十郎兵衛なんかはもう本人諸共って感じで曖昧ですが、蔦重までああなっちゃうとは思いもしませんでした。
けれどそこは天下の蔦重です。言うだけ言って、息巻いて。そうしてからはっと冷静になって「いけねぇいけねぇ、身代潰すところだった」と身震いします。
一体写楽の絵がどんなものだったのか興味ぶかいんですが、こればかりは頭の中で補完するしかなく。けれどグロの苦手な私の想像力の限界をはるかに越えてそうで、まあ、結局目の前にあっても見れないね。きっと。
そして、おせいが江戸をたつ日がやってきました。
目に布を巻いて杖をついたおせいと、十郎兵衛。そこに与七がやってきて最期の別れを惜しみます。
でもしめっぽくはなく、割とさばさば。この時の与七が、ああ、やっぱり一九とは違うんだなって感じでおせいと十郎兵衛によせる情みたいなものが感じられました。
近いうちに十返舎一九の名を聞くことになるぜと言い残して去る与七。
二人きりになったときに、ふわりと空気が緩んだのに「?」となっていると、おせいが目に巻いていた布を外します。
すっかり騙された!!おせいの目を斬ったのはお芝居だったんです!!!
あー、なんで気付かなかったんだろう。ていうか、なんで十郎兵衛はあんな事しちゃったんだろう、二人はどんな結末を迎えるんだろうとやきもきしていたので、力が抜けました。
与七さんまで騙してしまってと寂しそうなおせいに、仕方ないと十郎兵衛。
写楽の夢を終わらせるためには仕方のないこと。
これからどうするんだいと問われて、旅を続けて絵を描くよと返すおせい。
これからもずっと、見たものを感じたまま絵にしていくんだと嬉しそうに語るおせいに、十郎兵衛はついていけないことを詫びます。
能役者で禄持ちの自分は江戸を離れることが出来ないからと言いますが、そんなこと気にせず行ってしまいそうな十郎兵衛がそんなことを理由にするのは意外でした。
十さんはどうするのと聞いたおせいに、これからも面をつけて生きていくさと返す十郎兵衛。
それじゃあ自分がわからなくなったらこの絵を見てほんとの顔を思い出すんだね。と一枚の絵を十郎兵衛に渡し、おせいは去っていきます。
おせいの背中を見送って、渡された絵を見て笑う十郎兵衛。
俺がこんな色男に見えるようじゃあ、お前の目もくさっちまったな。とその絵を破り捨てるのでした。


これにて幕。




長々書き付けていうのも何ですが、この文章じゃ伝わりにくいだろうけれど、すごく晴れ晴れとしたラストでした。
寂しさも漂うけれど、清々しさの方が際立って、何というかこう、この春の陽気のような、そんなお芝居でした。
最期、十郎兵衛がおせいの絵を破りすてたことで、写楽は本当に死んでしまったんだなと思った。
きっとおせいの絵には以前のような迫力や魅力はなくなってしまっていたんでしょう。
史実でも写楽の絵が確認されているのは限られていますから、そのままの力でおせいが諸国を渡り歩いて描いていたならもっと多くの写楽の絵が残るはずですし、写楽の正体も謎ではなくなっているでしょうしね。
十郎兵衛がおせいの目を斬るところで、重要なシーンを書き飛ばしていた事に気づいたんですが、それがどの辺りだったかはっきりしないのでここに書きます。
もう自分の手で絵を描かないと言って、十郎兵衛が短刀で自分の手を突き刺し、驚いたおせいが慌てふためくという場面があったんですが、結局十郎兵衛が手を指したのは芝居用の小道具で、刺すと刃の部分が引っ込む仕組みのものでした。
その後ふたりがいちゃこら(語弊)していたので、まさか最期にそんな重要な意味を持つ場面とは思ってもみず・・・
ええ。おせいの目のからくりを知ってむっちゃ悔しかったです。何で気付かなかったんだ私〜〜〜!!
あと、歌舞伎を見に行きたいと言ったおせいをつれて与七と十郎兵衛の三人で歌舞伎を見に行くんですが。
真っ赤な着物を着た・・・・えぇと、かっぷくのいいひげ面のおっさんが出てきました。
ビブラート聞かせてオペラばりに歌ってましたが、えぇ。スーザン以来でしたがお元気そうで、おちゃめっぷりもご健在でなによりです。
目の保養になったのは、花魁のソニンちゃんくらいだったなぁ・・・。




カーテンコール
軽快なステップで飛び出してくる中でも目を吸い寄せられてしまうリーダー。なんか、きゃっきゃしてましたね〜。大楽だからってのもあるでしょうが、他のキャストさんも地に足ついてなくって、こちらまでウキウキしてしまうカテコ!
ソニンちゃんは挨拶の時も言ってましたが、カテコでも花魁でした。衣装が、衣装がね・・・(笑)前に出たら、ばっと着物を翻してターンしないと下がれないですからね。
そして、一列に並んで大河さんのご挨拶。
「無事に千秋楽を迎えることができました。ありがとうございます」で、照明が一旦オフに。
あれ?やけに簡略?照明ミスった??と首をひねってると、すぐにつきました。ほんの一瞬だけどぎょっとしたぁ。
実は翌日は橋本さんのお誕生日、三人娘の内の一人林さんが数日後に誕生日と言うことでみんなでお祝いしましょーというサプライズなのでした。
びっくりする橋本さんと、びっくりして更に恐縮する林さん。おおきなケーキが運ばれてきて、客席も一緒になってハッピーバースデーを歌いました。
こういうサプライズに当たる事ってめったにないから楽しかった〜。
橋本さんにはケーキの他に、十さんの似顔絵の描かれた色紙に寄せ書きのプレゼント。遠目に見てもお上手なその絵は南畝さん役の岸さんが描かれたそうです。もっと近くで見てみたかった〜。


千秋楽ということで、役者さん一人一人から一言。と橋本さんが名前を呼んで進行。
お一人お一人の言葉をちゃんと覚えていないので、覚えている範囲で。
まずは一番手、丁稚役の海老澤健次さん。もう、カテコで出てきた時からぐっずぐずしてた彼ですが、指名がはいってまたこみ上げてきたのか更にぐっずぐずでした(笑)
一番若手なのかな?このカンパニーで素晴らしい先輩達と一緒にお仕事をさせていただいて、勉強になったし、ここで学んだことをこれからの仕事に繋げていきたいです。でもまだ終わりたくないです。と可愛らしいことを言ってました。
続いて市役の遠山さんと富三郎役の石井さん。三人娘の辛島さん。
立ち位置順かな?と思わせておいて、今度は下手の三人娘、高谷さんと林さんへ。
どうやら年功序列のようですが、これが橋本さんの失敗の始まりでした。
相当仲の良いカンパニーだったようで、みんなが口々に別れを惜しみ、楽しかったと言う中、とうとうリーダーにご指名が。
はっちゃけるのかな〜と見てたら「本日はご来場いただきありがとうございます」とえらくお行儀のいい出だし。
無事に千秋楽を迎えられ〜と着々とお行儀よく用意していたのだろう言葉を並べていくリーダー。でした、が。
はい。やったよ。やらかしたよ。そうこなくっちゃね!(決して人がこけるのを楽しみにしていたわけでは・・・ないですよ)
挨拶も〆に入った頃に「最期になりましたが〜」と言い出したリーダーに、客席も出演者も「最期ちゃうちゃう!」と総出で突っ込みです。
はっとしたリーダー。そこで崩れるかと思いきや、慌てながらもちゃんと立て直して、って言うか、ほぼスルーで。スルーで。(大事なことなので二度言いました)挨拶を追えたのでした。
私・・・もう一人こんな人知ってるんだけど・・・。まあ、今はそれはいいか。
南畝さん役の岸さんは橋本さんに「ひよこ!」って呼ばれてました。(写楽ブログ参照)
鉄蔵役の葛山さんは「田原俊彦」って呼ばれてました。なんでやねん。出自を知ってる方がいたら教えて欲しい・・・
コングさんは「おっさん」言われてました・・・。でもこのおっさん、中々やり手でして。きっちりしっかり挨拶に物販のことなど織り交ぜつつ、DVD予約してね☆と宣伝していきおった。
で、コングさんの次が山路さんかな〜(立ち位置的にはリーダーの隣だった)と思ってたら、そのままコングさんの隣のソニンちゃんへ。
ん?年功序列じゃなくてキャストの重要度?と思いつつ、でも何だか不安な気持ちがしてきた私。そしてその不吉は見事的中して、ソニンちゃん、南畝さん、葛山さん、ときて、大河さんへ・・・
ざわ・・・・っ
大河さんがやりにくそうに挨拶する中、素振りと周りの空気で山路さんをすっ飛ばしていたことに気付く橋本さん。
でももう後には引けません。大河さんの挨拶後、どうすんのかと周りが見守る中「えー、というわけで」と本気で締めようとしました。この人。(笑)
まあ、もちろん全員「ええ〜〜〜〜」ですから。
その時にまー、マイクを通して一際大きな笑い声。
おっまえ、ついさっき自分もやらかしたくせに!!大先輩の失敗がよっぽどおっかしかったらしく、大喜びのリーダーは舞台奥に引っ込もうとする山路さんの肩を抱いて一緒に奥へ。
チャップリン飛びなんぞしておりました。
いや、ええ・・・フォローですよね。フォロー。(笑)とにかくもう、おっかしかった。
必死で「いやだなぁ、分かってますよ。覚えてますよ、そういう演出ですよ」と言い訳する橋本さんが面白かったです。
燃えちっち声優やってるときから中身進歩してない(笑)
無事(?)山路さんのご機嫌も戻ってご挨拶をすませ、橋本さんで〆!
鳴り止まぬ拍手に何度も何度もカーテンコールを繰り返してくれましたが、四回くらいかな・・・?これでもうないかなと私は席を立ったのですが、お手洗いでまだ拍手と歓声が聞こえていたのでもしかしたらまた出てきてくれたのかもしれませんね。
コングさんが前日二十人ほどで飲んでてホテルの人に出て行ってくれと怒られたくらい仲の良いカンパニーらしく、最期までほっこりさせてくれました。




思えばコングさんにリーダー、橋本さんだけでなく、こにたんやら葛山さんやら知ってる顔がたくさんでいてた舞台でした。
レミゼやらヴァンパイヤやら、観たことあるお芝居の名前がプロフィールにもあがっていたので、他の方も観たことあるかもしれないな〜。
とりあえず、宝塚BOYSはリーダーと山路さん目当てで観に行こうと決めました。
山路さん・・・山路さんハアハア。(リーダーとかマサとかミュッ子の話が多いブログですが、管理人はかなり年上の方が好きです。山崎努さんとかもう最高に好きです。加齢臭万歳←失礼やろ)


ひたっすら長いメモでしたが最期まで読んで下さった方。お疲れ様でした!
少しでもこの舞台の楽しさが伝わっているといいなと思います。
是非同じキャストで再演をとキャストさん達が口をそろえて言っていたので、期待してます・・・!